matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

会社では、ファイナンスが「数字」

「数字」で思考するという意義を、ここ最近本ブログで書いてきたが、それは自分が外資系の日本法人にサラリーマン生活の3/4を在籍してきた実感でもある。
ハイテクと呼ばれてきたとあるIT企業で技術職であり、営業サポートという立場で予算屋や見積もりというカネにも決して無縁ではなかったわけだが、会計とかファイナンスには縁遠いと思っていました。

しかしながら、米国本社からの方針や目標設定および評価については、ファイナンスという観点から見ると、経営者の視点が理解しやすい。
ハイテク企業は、革新的な技術やアイディアで製品化し起業する。当然創業者や、成長期に参画したメンバー、いわば生えぬきが経営を担う。しかしながら、成長期から安定期を経て低迷期を迎えると、マネージメント層は、内部ではなく外部から採用されるようになる。CEOなどから始まるが,低迷期を繰り返していくと事業部レベルのミドルマネージメントまで随時外部から採用され、生え抜きはむしろリストラ対象となり合理化リソースとなる。
外部から採用されたマネージメントは、自社製品や技術などの社内リソースには精通出来ない。
では、彼らは何を基に経営を行うか

  • 自らの経験(同業他社からの採用)
  • 社内の生え抜き活用
  • リストラなど合理化で短期的成果が最初のゴール=コストカッター

上記、3つが出来たとき、外部からきた経営者は長期化政権となる。
どれかが欠けているときは、短期になる傾向があったようだ。

しかしながら、合理化で開発力などの活力を無くし、新たなるイノベーションやビジネス環境の変化に追従できなくなるケースが多い。そのために、合理化で得たキャッシュや株価上昇により、有望なスタートアップ企業を買収し、自社製品ポートフォリオに加える。結果として、従来製品に携わってきた生え抜きは次のリストラ対象となる。

根底にあるのは、ファイナンス的な「数字」による思考だ。

下記書籍は、数字ではなく、「物語」で読むことによる会計、ファイナンスそして経営の「数字」を理解するのに役立つ。

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ――500年の物語

  • 作者:田中 靖浩
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

会計700年の歴史を紐解きつつ、会計の全体像を解説する新しいテキストが本書だ。

物語は3部構成で、時系列で進んでいく。
第1部は14世紀イタリアから18世紀オランダへ、簿記と会社の誕生をめぐる物語。
第2部は産業革命時代のイギリスからアメリカへ、財務会計をめぐる物語。
第3部は20世紀アメリカからグローバルへ、管理会計ファイナンスをめぐる物語を展開する。
単にBS、PLに強くなるだけではなく、実際に「会計を使う」ための視点を得られるのがポイントだ。

会計の歴史を解説したものは、基本的に「会計史」の本しかなく、
それが実際の企業活動とどう結びついてきたかを説明したものはこれまでない。