アメリカは「CHANGE」するんだろうか,
アメリカ最大の保険会社は税金により救済され、おそらくGMを始めとする自動車産業も政府支援が始まるだろう。資本主義で自由主義の国で政治と経済が必ず一体化するようになるはなぜだろうか。産軍複合体の危険を訴えたのは、将軍であり大統領であったアイク自身だった。経営者と行政側が一体化しているのは利権とビジネスが一体化しているからなのだろうか。
アメリカの場合は政権交代が行われると行政側の高官達が産業界から参画されることが見受けられる。ビジネスの世界で巨額な報酬を受けてきた人たちが、格段に報酬が減額する公務に着くということは、一見、国に奉仕するといった印象もあるが、実際に経済的な理由があるという面もあるようだ。
- 作者: 神谷秀樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/10/17
- メディア: 新書
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日本の都市銀行のバンカー出身であり、ゴールドマン・サックスにも在籍していた茶者が書いた本だが、現在の金融危機の背景と日本の昨今の金融政策に考えさせられることが記述されている。
- 金融資本は、「事業」に投資してその事業からの収益ではなく転売して利益をあげることだけが目的である
- 投資銀行は確実なキャッシュフローのみだけで事業を評価し、グロー・ファクター(不確実な成長性)はまったく考慮しないため、確実に可能なコスト・カットのみの経営
- 金融危機の真犯人は世界に過剰流動性をばら撒いた、米国と日本
バブル崩壊後、そして日本の銀行を救済策である「ゼロ金利」は円安と海外との金利差を利用した「円キャリー取引」を促進させた。資金調達コストを下げたことにより、レバレッジという借金による投機をより容易にしてきたということだろう。
ゼロ金利は、産業資本の調達を容易にするための景気対策のはずだが、銀行の貸し渋りは進行し続け、結果として、銀行の融資というよりは、資金調達コストを下げて金融機関の経営環境を支援した結果は、金融機関は証券などのファイナンス的な、より高利益が望める経営体質にかえてしまったような。