matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

半沢直樹ロス

歌舞伎役者のオンパレードだったが、演技も歌舞伎流?
エンタメとして、純粋に楽しめた勧善懲悪ドラマ。やっぱり、最後はハッピーエンドがいいよね。

原作者は、元銀行員。どこまで現実的か分かりませんが、半沢直樹はあくまでも、妄想のスーパーヒロ−だからこそ、実際には存在しないのだろうと思う。しかしながら、バブル前後の銀行の内部をモデルにして描写したところは、リアリティがあるような。

減点主義で学閥などの親分子分関係での行内事情は、外部からも垣間見えていた。かつては銀行員は、エリート集団だが、官僚と同様なキャリア・ノンキャリアで出世できなければ出向という図式。船団方式と高度成長の時代は、銀行はあきらかに殿様商売で、マネージメント層は人事という社内ゲームが最大の仕事?だったのかな。

だが、失われた20年を経て、銀行は必ずしも優良企業ではなくなり、銀行への依存度をなくなりつつある企業が増え、かつてのように出向先は減少し、統合合併や合理化で組織は縮小しポストは激減しているようだ。

ある意味、半沢の舞台は、現在の銀行を取り巻く状況とは乖離していると思える。その意味で続編は期待できないかも。原作者の半沢シリーズの新刊は、過去の一行員時代が描かれている。

では、過去に「半沢」バンカーはいたのだろうか。

住友銀行秘史

住友銀行秘史

大蔵省とマスコミに「内部告発状」を送ったのは私だ。
実力会長を退陣に追い込み、上層部を動かし、
わが住友銀行は生き延びた。
そのなかで、行内の人間関係が露になり、
誰が本物のバンカーなのかもわかってきた。
いま明らかになる「イトマン事件」の真実、闇社会の勢力との闘い、銀行内の激しい人事抗争ーー。
四半世紀の時を経て、すべてを綴った手帳を初公開する。

著者が、「半沢」バンカーとは思えないが、都銀がバブルの時代に異常であったことは、確かなようだ。
小説ではなく、過去の記録の記載とどこまで真実なのかわからない著者の熱意?が延々と書かれているので、読んでいる最中も読み終えたあとも、実際よくわからない顛末。
この事件で5000億以上が闇に消えたようだが、それでもぎんこうは存続しているのが、最大のミステリー。

やはり、半沢は存在し得なかったし、今後もありえない。
だからこそ、「ドラマ」として半沢の続編に期待してしまう。