貿易赤字国へ
財務省が21日発表した11月の貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は今年1月〜11月の合計で2兆2831億円の赤字になったようだ。2011年の年間の収支は1980年以来31年ぶりの赤字となるようであるが、今年も、円高、原発の再稼働が進むとは思えず、同じように赤字になりそうでもある。貿易収支が赤字でも、海外への投資から得る配当などによる所得収支が大幅な黒字のため、経常収支は黒字を維持しているのでこれで円安にぶれるかとも言えない。輸出で稼いできた貿易立国も、期せずして輸出依存ではなく、海外投資などの資本、そして海外生産するための技術輸出などに依存していくことになる。これはモノ作りの国内空洞化でもあるが。
江戸時代は鎖国していたが開国以来、生糸輸出による外貨は軍艦など軍備拡張に寄与し英国などからの輸入軍艦で日露戦争を勝利している。自給自足的な経済だった江戸時代から大きな内需で国内経済は成立してきているのは国境が接している大陸型国家との違いだろう。実は内需に依存してきた日本が慢性的な輸入超過になった時、日本の経済はどう変貌していくのだろうか。シャッター街と化した地元の駅前商店街が暗示している気がしてならない。
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