matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

歴史は人

小学生の頃から伝記が好きで、今でも児童向けの書籍では定番である。歴史家として著名なのは司馬遷史記において、司馬遷の考え方・思想がもっとも反映されているのが列伝であると言われている。 「列伝」という個人を主題とした歴史記述方法が司馬遷独自のものであった。そして司馬遷以後、中国の歴史記述方式の標準が紀伝体となった。紀伝体は「本紀」と「列伝」に由来しているが、どれも支配者や人物の単位に編集されている。ビジネス書も企業の経営者などの伝記形式が企業活動そのものを書いたものより面白いのはもちろんだが、その企業の価値観やポリシーなどの企業文化の根底を成していると思える。企業は組織であり、巨大になればなるほど組織として活動し属人性が薄れていく。にもかかわらず、創業者や起業者が経営から退いた後、光が陰っていくケースが多く感じる。大阪市長選挙に勝利後のあるテレビ番組で、橋本新市長は、制度の改革の必要性を強調し知事経験のある大学教授が指導者のパーソナリティを強調していたのが、独裁の必要性をあえて論じ、既成の枠組みを超えようとしているのが、橋本さんというパーソナリティであり、制度や組織改革を行うことをゴールにしている。個々の政策はあまりにも多様であり、膨大な課題や功罪の両面を持っている中、政策を羅列したマニフェストでは選択できず、人物という価値観や人生観を選択するしかなくなっているのかもしれない。

李鴻章――東アジアの近代 (岩波新書)

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