matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

史観


歴史に対する見方というのは、意外にステレオタイプ化されていて、結果に対する説明がつきやすい事象だけが語られることが多い。
幕末の日本は長い鎖国により、世界に取り残された結果、その危機感が尊王攘夷という政権交代への流れとなり幕末維新が起こった。その中心となった薩長などは、攘夷という名目を掲げながら、経済的な活動によりその推進力を得たのは、海外との取引だった。

世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵 (PHP新書)

世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵 (PHP新書)

鹿児島出身という背景を持つ歴史学者の著書だけに、云わば薩摩史観ともいえそうな感じもするが、贔屓目というよりも、薩摩側の史観なのだろう。
南北戦争という、アメリカの国内紛争は国際的な綿花不足という形でグローバル経済に影響を与えていた。その綿花不足で利益を得ていたのが、日本の綿花輸出であり、その利益により、銃器や軍艦などの入手を得ていたとは。
鎖国は、いわば内需のみの閉鎖されたいわば保護経済環境だったところに、外圧により、一挙にグローバル経済へ移行したわけで、その結果、デフレ気味からインフレとなり物価上昇を招いた。開国という大幅な規制緩和でもあり、それは、新たなビジネス機会を創出した。