matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

政権交代

衆議院が解散し、いよいよ政権交代が現実的になりつつある。戦後、あれだけ長かった自民党から野党への政権交代。かつて細川首相という政権交代が短期間に終わったことを除けば、戦後の日本は、ほぼ自民党が政権を担当してきた。これが、民主党に変わることは、時代が変わるのだろうか。否、時代が変わっているのだろう。
しかしながら、民主党と自民との政策の違いがそれほどあるのだろうか。民主党政権交代が最大の目的であり、そのために、人気取りの政策を正面に押し出している。児童手当、高速道路の無料化などがそれに見える。かつて、ローマ帝国パンとサーカス政策だった。共同浴槽やコッロセウムという箱物行政をはかり、ローマ市民の指示を得ることによって、大土地所有者などの貴族や有力者に対抗しようとしたことを連想してしまう。
いま、政府がしなければいけないことは、なんだろうか。無限、無尽蔵の予算があれば、ひたすらバラマキしていただきたいが、国家がすべてをおこなうことは、旧共産主義などの例を見ることなく、上手くいかないのは目に見えている。一定のルールのもとの裁量権がある自由経済こそ、最大多数の幸福を生むであろうことは、戦後復興してきた日本自身がそのよい例ではないのだろうか。
政府を行うべきことは、価値観とルールの設定、維持そして修正である。さらに、利益を追求する経済行為となれないであろう、医療と年金という弱者保護こそが、社会として維持しなければいけない公共サービスである。

律令国家の転換と「日本」 日本の歴史05 (講談社学術文庫)

律令国家の転換と「日本」 日本の歴史05 (講談社学術文庫)

古代の氏族単位の共同体から、大化の改新を経て、律令国家という統治システムが成立した。各部族単位に、いわば私有化のみであった国土を公地としていわば共有化したのだが、結果として、その公有地から人は抜け出し、また私有化主体へと変わっていく時代背景が伺える。
かつて、中国は、人民公社に代表されるように土地をすべて公有地化したが、生産活動は沈滞し以後、開放経済のもとで現在の経済発展を達成している。
日本は,小泉政権の構造化改革は、経済の規制緩和と競争論理は結果として格差拡大、弱者切り捨てという結果になったのは、リーマンショックのせいばかりではないだろう。政権交代が、どんなルール、価値観を導くのかを注目していきたい。