matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

なにが優先順位が高いのか


政権交代がますます現実的なものになり、民主党マニフェストが気に掛かる。自民党には不満で、民主党には不安があるということをニュースで聞くが、まさに同感。特に、高速道路の無料化やガソリン税など人気取りで、現政権に対する上げ足取りとしか思えない。土木公共事業をとりしきってカネを得ていた金丸という政治家がいたが、小沢さんの後見役ではなかったのか。道路税という目的税を作り上げた田中角栄の愛弟子ではなかったのだろうか。
子イズム政権の構造改革は、規制緩和という強者のみに有利な改革であり、弱者に対する既得権を削減した結果だったのではないだろうか。郵政民営化以外に彼に具体的な政策理念があったのだろうか。
政府という公共体に期待するのは、やはり医療、教育そのもではないだろうか。
日本の近未来のひとつのモデルとなれる国が英国である。王室と皇室、長い歴史と、繁栄を誇った後、衰退していく社会と国力、そして、狭い国土や、海外依存度の高い低い食糧自給率

イギリス型<豊かさ>の真実 (講談社現代新書)

イギリス型<豊かさ>の真実 (講談社現代新書)

かつて英国病といわれた、疲弊した社会を活性化し、再生させたサッチャー政権はさしずめ、小泉改革になぞらえることが出来るかもしれない。
英国では、17.5%という消費税が、その福祉制度を支えている。高福祉・高負担。産油国なのだが、燃料税が高くガソリン代は日本より高価なようだが、高速道路は無料だそうだ。民主党は、消費税は上げない、ガソリン税は減額、高速道路は無料。
しかしながら、無料の医療制度が必ずしもバラ色ではないらしい。結果として医療従事関係者にとっては必ずしも魅力ある職業ではなくなり、医師の海外流失など、日本の介護業界を彷彿とする感もある。
患者さんには絶対言えない 大学病院の掟 (青春新書INTELLIGENCE)

患者さんには絶対言えない 大学病院の掟 (青春新書INTELLIGENCE)

日本の医療制度は、危ない。本当に危うい。
その影響は、老人、妊婦、児童や病人であり、弱者以外何者ではない。町には開業医が多いのに、大病院の待合室は一杯で、医師は過労死寸前。医師人口は増えているはずなのに、医師不足。介護難民や医療難民の現状。社会的入院を排除するために1ヶ月過ぎると医療報酬を削減し、三ヶ月すぎたら、いっさいでない。つまり、症状にはまったく関係が無く、事実上1ヶ月以上の入院は許されないのが、いまの厚生行政なのである。昨今のガン治療技術の進歩は、延命期間を大幅に伸ばした結果、末期ガンであろうとも、通院しなければならない状況を生み出している。本人や家族は、急変の恐れにおびえながら、待合室で待ち、病院に通う日々。
高速道路に税金をつかう結果になりえる高速道路の無料化には賛成できない。税金は、道路ではなく、人間につかうべきだ。
歴史物語 朝鮮半島 (朝日選書)

歴史物語 朝鮮半島 (朝日選書)

儒教社会であった、かつての朝鮮時代、実学を軽視し学閥にも思えるような官僚組織内での権力闘争。儒教という「五常(仁、義、礼、智、信)という徳による王道で天下を治めるべきであり、同時代の武力による覇道を批判し、事実、そのように歴史が推移してきたとする徳治主義」つまり、理念であり、具体策がない。
政治家には理念はたしかに重要だ。しかし、理念論争だけでよいのだろうか。