matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

民主党は大きな政府か?


民主党が勝利したが、アメリカでもオバマ民主党政権である。民主党大きな政府であり、共和党は小さな政府がその政策の根幹にある。かつて、ルーズベルト大統領はニューデール政策など公共事業による需要の喚起を促そうとした、いわばケインズ理論の実践である。その意味では自民党が行った大型補正予算はれに近く、公共事業の見直しなど日本の民主党政策こそが、「大きな政府」とは見えない。
大恐慌を脱したのは、ニューディール政策というよりも、戦争体制による需要拡大の効果であったろう。戦争という行為は、おおいなる需要を生み出し、雇用を拡大する。かつての中世日本は飢餓がもっとも身近な混沌とした時代であった。日本を統治する側のパワーが薄く、小さな集団単位で社会が形成されていた時代であったようだ。戦いということが、生きていく上での生業になっていたじだいであったようだ。

【新版】 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り (朝日選書(777))

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今で言えば、ソマリアの状況は、かなりそれに近いのかもしれない。織田、豊臣政権においてもたらされた平和は、内需を減少させ、戦争を職業としていた雇用機会を無くした。その対策が外需拡大であり、朝鮮出兵であったことは、施政者のその意図が明確にあったか否かに関わらず、結果としては等価であったろう。しかし、外需拡大は失敗した結果、狙うべきは内需拡大である。徳川への政権移動は、結果として各地の城郭の普請という大型公共事業を新たに生み出し、関が原以後の雇用機会減少を補うことになっている。新田開発、鉱山資源の発展など生産性向上は、公共事業のコストを上回る資本の積み上げがあり、収支バランスが合っていたともいえる。
民主党は、公共事業を見直しするということを目指しながら、外需から内需への転換を主張している。しかしながら、高齢少子化の現状では、これ以上の内需拡大要因があるとは思えない。むしろ、国際競争力をたかめ、外需依存率をあげることがいま、すべきことかもしれない。