matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

飛翔体を巡る騒動

本日、北朝鮮から人工衛星と称するものが発射された。このこと自体は、北朝鮮外交カードの1枚と見るのが有力なようだが、現時点としてその効果があったことは残念ながら結果として事実ではないだろうか。発車されてから、それの撃墜や告知の手段方法などが、ひどく注目され報道されているのだが、実際にはどれくらいの意味があったのか非常に疑問だ。どうころんでも、告知がされてから避難行動が取れるとも思えないし、発射してからの通知が分単位でおこなうことの意味があるとはとても思えない。太平洋戦争時の空襲警報や台風や大雨などの警報ほどの効果は望めず、なんの意味もない。エムネットと呼ばれる仕組みも、FAXとなにが違うのかよくわからない。それで配信されている情報が手書きのPDFファイルらしいのをみてハイテクなシステムでも手段でもなく、誤報騒ぎで、今後はより確認をしておこなうとなったらますます即時性に意味がないといえる。人が判断できる時間ではないはずだ。
津波警報は、避難可能な時間が確保できる可能性があるので、意味があるし、緊急地震速報(きんきゅうじしんそくほう、英語名称:Earthquake Early Warning、略称:EEW)とは日本の気象庁が中心となって提供している地震情報である。地震警報システムの一つで、主要動の到達前に速報を行うことを企図した早期地震警戒システムに分類されるものである。同種システムとしては世界初と言われる。
すくなくとも、今回のような警戒?体制がとられているのは、政府や自治体などの体面ではないかと思えてしまう。冷静な判断で結果を見てから対応を決めるというのができないのは、解散間近で失点を恐れる政府対応ではないかと穿った見方をしてしますとおもえるのだが。
緊急地震速報のようなミサイル速報のようなシステムを作るには、莫大な投資と期間が必要である。景気対策の一環としておこなうのであれば意味があるかもしれないが、湾岸戦争時のイラクからのイスラエルなどへの長距離ミサイル攻撃がどれくらいの効果があったか、また撃墜がどれほど効果をもっていたかを考えると、ミサイルの発射施設を直接攻撃したほうが効果的であろう。しかしながら専守防衛の日本には国外に攻撃能力が無いためそれが不可能である。本当にミサイル攻撃の脅威に対処するのなら、国外への攻撃手段をもたなければいけなくなってしまう。はたしてこれは、日本の国策なのだろうか。今回の北朝鮮がミサイル攻撃の潜在的脅威を感じさせようとしているのなら、結果的には、専守防衛の安全保障政策を転換しなければならないということになる。戦後半世紀以上を経て、戦争体験世代もほぼ現役世代としては不在となっている昨今、見直しの時期なのだろうか。

山県有朋―愚直な権力者の生涯 (文春新書)

山県有朋―愚直な権力者の生涯 (文春新書)

明治維新を成し遂げたのは、外国からの脅威であり、中国を始めとするアジア地域への帝国主義の進出である。最終的に外圧に対抗するためには強兵しかなく、そのために富国が必要であり、施政体制を必要とした。維新の元勲として生き残った伊藤博文山県有朋などは、実は幕末の志士としては下っ端であり、大久保や岩倉など維新を成し遂げたリーダーたちは、明治初期にはほとんど退場している。にもかかわらず、富国強兵の道を歩み、日清・日露という戦争を行いながら、朝鮮、台湾や果ては、満州など日本の歴史上、空前絶後の進出を実現したものはなんだったのだろうか。日本を守ろうとした維新の理念は、生命線という理由のもと、朝鮮、満州と海外に軍事的手段で進出していく。その結果は、太平洋戦争の敗戦という結末をむかえたのだが。