兵器の革新が歴史を変える
先日の秋葉原の事件は、刃物という凶器が簡単に人を殺せてしまうという事実を明確に知らされた。
ナイフで、一刺ししただけで命を奪い、ごく普通の青年が17人もの死傷者を短時間で凶行している。7人が死亡しているが、そのなかには警官さえ含まれる。
人間は兵器を作り出してきた。
- 棍棒
- 石礫
- 石槍
- 弓矢
そして、金属が、最初の大きな技術革新だったろう。より、硬く鋭利な金属をもっているほうが、必ず優勢となる。金属の刀や矢をもってすれば、人はそれに抵抗することは難しい。そこに支配が生まれたのだろう。古代史で集権国家が芽生えたのは、鉄との関連が大きい。ヤマト政権は朝鮮からの鉄の供給を抑えることによって力を持ったようだ。古代朝鮮においても、鉄を抑えることが重要だったようだ。
そして、つぎの革新は、馬である。人力を超える移動能力を獲得することにより、より広い地域の支配を可能とした。
しかし、技術力と経済力により、軍事的な優位をより生んだのが、銃と大砲である。その製造技術にのみならず、火薬などの消耗品であり硝酸などの入手手段は交易が必須であり、経済力がないと調達ができない。より多くの銃や大砲が利用できる側が勝者となる。
いちはやく欧米の兵器を入手した側が明治維新を実現し.富国強兵が国の基本的方針となった。
過去、兵器の革新が歴史を変えてきた。
映画で見る戦争は、刀での切り合いや銃剣での突撃などが多いが、いかに敵に近づかずに相手を傷つけるかにその技術が使われてきたような。
槍も、ある意味では相手との空間を持ちながら戦う武器である。古代ギリシャなど槍は投擲の兵器でもあったはずだ。戦国時代まで石礫は重要な先頭手段であり、弓矢とならぶ主要兵器だ。
関東武士は、騎馬上からの弓矢が戦闘の主体だった。戦いとはどちらかが負けを認めれば決着した時代でもあった。それが戦国時代となり、より殺傷能力の高い槍が主兵器となり、鉄砲が決定力を持ってきたのは、相手を殲滅し、より殺すことにより相手を屈服させることが主となった。
- 作者: ジョンエリス,John Ellis,越智道雄
- 出版社/メーカー: 平凡社
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アフリカ大陸が植民地と化したのは機関銃だった。そして、機関銃は、いまや民族紛争の糧にすらなっている。戦車や飛行機と異なり、機関銃や自動小銃はその使用に高度な技術も不用であり、持ち運ぶのに車両もいらない。それでありながら、1人で何百人を殺害することができてしまう兵器だ。
核兵器や毒ガスなどの化学兵器にくらべて、運用が1人でも可能な点は小規模な戦争を根絶できない大きな要因なような気がする。