matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

循環型社会へ


いま、食料自給率が大きな関心を持たれているが、食料を生産するには、エネルギーとしての石油に大きく依存しているのが現状だ。さらに肥料自体が自給できないという現実もある。肥料の3大要素といえば、窒素、カリそしてリンである。農業は、土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する行為であるため、減少した窒素やリンなどを土壌に補給しなければ、持続可能な農業は不可能である。肥料はこの補給の目的で用いられる。
リンは、地球上の希少物質であり、今後採鉱コストが低く高品質のリン鉱石は減少していくと予想される。特にアメリカでは戦略物質として輸出禁止処置がとられている。そして、中国でも同様な政策なようだ。

http://www.city.gifu.lg.jp/c/01021204/01021204.html
りん回収技術の実用化についてだが、この技術開発は国土交通省の「下水汚泥資源化・
先端技術誘導プロジェクト」に採択され、平成17年度より取り組んでいる。今年3月にはその成果が認められ国庫補助事業として採択されることになった。総事業費は5億7000万円だが、年間1000トンの汚泥灰から500トンのリン酸塩を抽出し、1500万円から2000万円の売り上げを見込んでいる。ということは民間の営利事業としては成り立ちそうもない。
しかしながら、東京など大都市で行えば、規模の経済で、実用レベルになるかもしれない。
戦前には、家庭での排泄物は肥料として農家が回収していた。江戸時代の長屋などでは大家の収入元でもあったようだ。
メタンガスの生成など、下水道は資源としての位置づけに変わるかもしれない。
一番の阻害要因はコストというか経済性である。しかし、昨今の石油高は大きな推進要因になるかもしれない。

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