サクセスストーリは物語として面白い
所謂ビジネス書の類は、なんかしら得るものが求めて、ビジネスに役立てようとして読むものかもしれないが、私個人としては、マネジーメントを行っているような立場でもないし、たとえばウェルチや松下幸之助みたいなカリスマ経営者に学べることもないと思っている。
なのに、なぜか、企業物を買って読んでしまうのはなぜか。
それは、物語として面白いのである。
社会人になりたての頃、城山三郎の本を読み漁ったりしたが、あくまでも小説としての面白さだ。
Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方
- 作者: 平尾勇司
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
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これも文句無く面白い。
でも、自分の組織や仕事の進め方やあり方と比較してしまうのが、ビジネス書たる所以なのかもしれない。
しかし、業務委託社員と契約社員で新規に大規模な事業を立ち上げたのは、非正規雇用が広がりつつある今の典型なのかもしれない。
非正規雇用者の増加は、雇用者側にとっても、その不安定な立場のリスクがあるが、企業側にもリスクがあると思える。
スキルやナレッジの蓄積という面である。もっとも、中国のように企業に対するロイヤルティが低く定着率が非常に低いのであれば、正規雇用という形態をとったとしても同様なリスクがある。
このホットペッパーでの取り組み方は、使用者側のデメリットやリスクをうまく回避しているようだ。
しかし、雇用者側としては、リスク回避の策が取られているかはこの本からは読み取れない。新たに事業を起こす側から見れば役に立つノウハウだとして、非正規雇用が促進されてしまったらとおもうと、雇用者側からみれば危ういものがあるかもしれない。