信玄の戦争

信玄の戦争 (ベスト新書)

武田信玄はなぜ天下をとれなかったのか
従来、京への距離が経済的な問題や、中世的な要素から脱却できなかったなどの議論が主体であったが、著者は信玄の戦略的バックボーンが「孫子」に依存していたからだという見方を示している。

私が今まで感じていたのは、甲斐や信濃という出発の地域の経済力の差、そして上杉謙信や北条氏綱などの均衡した勢力が拮抗していたため、成長に限界と時間がかかりすぎて寿命をついやしてしまったということだ。

著者は、下記のようなポイントを上げている

• 織田信長は、尾張を統一し、美濃に侵攻に十年以上かかっている
• 信玄は甲斐は父信虎時代に統一が済んでおり、そのまま継承できている

かならずしも、信長にくらべて悪条件というわけではない
京にくらべての遠隔であるという点に対して

• 三好氏など必ずしも信長より京に近い勢力がないわけでない
• 大内義興は山口から上京している
• 応仁の乱で戦った勢力は近畿地方だけではない

要は戦略の違いではないかということだ。
中国の春秋戦国時代に斉の桓公など覇権を求めるものと秦の始皇帝のように統一行動を獲ろうとするので変わる。
北条や信玄はひたすら領土拡大、統治領域の確立である。謙信は、領土にこだわるというよりも覇権の獲得であったのだろう。謙信は上洛まで果たしているし、小田原城への攻撃や鎌倉への侵攻など。
信玄は、領土拡大を図り、最後に覇権を求め？て西進を行い、その途中病に倒れている。かれに本当に上洛し覇権なり天下統一する意思があったのだろうか。

その他

ポケット図解ロジカル・シンキングのポイントがわかる本 (Shuwasystem Business Guide Book)