matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

投機と投資の境目


ふと文庫本の新刊として見かけたNHKライブラリ

NHKスペシャル マネー革命〈第2巻〉金融工学の旗手たち (NHKライブラリー)

NHKスペシャル マネー革命〈第2巻〉金融工学の旗手たち (NHKライブラリー)

わかりにくい現代金融の最前線をドラマチックに描いている。日頃NHKスペシャルNHK特集のノンフィクションは秀逸だが、書籍化されてまた、物語を感じることができる。取材側、映像として視聴者に如何に伝えるかの思いがまた訴えるものを強く感じる。
私も、取材者と同じように数学や金融業界には門外漢である。取材者たちが、理解不能なことを如何に仕組みではなく、その意味を把握していくのかがダイナミックに描かれている。
ブラック・ショールズの方程式が、金融を工学に変えたようだ。
数式を見ても、正直意味がわからないが、変数を変えるだけで、リスクを考慮した価格を算出することを可能にしたようだが、どんな方程式にも変数はある。
たとえば、オプション価格の算出式の場合、変動率がそれに相当するとのこと。
では、この変動率をどう設定するか。それは、過去の変動を基に仮定するか、また、現状の市場にあるオプション価格から算出が可能になるから、それの変化を予測することになる。
結局、全自動では不可能で、過去の変動の様相から推測するにせよ、それは、未来が過去とおなじ結果になるという前提であるにすぎない。

第2巻から読んだものだから、さっそく第1巻を探す。
NHKライブラリを置いてあるのは大型書店でなくては見つからず、セントラルタワーズ三省堂書店でやっと見つけた。

NHKスペシャル マネー革命〈第1巻〉巨大ヘッジファンドの攻防 (NHKライブラリー)

NHKスペシャル マネー革命〈第1巻〉巨大ヘッジファンドの攻防 (NHKライブラリー)

8年前に放映された番組の内容だが、基本的には古さを全く感じさせない。
第3巻が待ちどうしい。
個人的には、金融取引がコンピュータ化されているのにDECのコンピュータが大きな役割をしていることがよくわかる。
コンピュータの立ち並ぶ写真もあって、VAX7000という過去の名機だ。
バブルの頃、金融のシステムを提供している部門がブラックホールのように人員を吸収していたが、いまはテレコム担当部門が人を飲み込んでいる。
製造業から金融、そしてテレコムにIT投資の主役は変わった。次の主役は?。