企業合併
最近、出張で新幹線にのる前に、改札近くにある書店、というより、書籍販売コーナに立ち寄り、車内で読むための雑誌や本、携帯性から新書や文庫本が主になるが。名古屋駅の新幹線ホーム近くにある書籍販売コーナは小さなスペースで、置いてある書籍類は少ない。おそらく、新刊を次から次ぎへ入れ替えているのだろうが、売れ残った本がそのまま置いてあったりする。手にとった新書の奥付けを見ると、平成13年4月30日第1刷となっている。4年間ここに置いてあったのだろうか。
勝手に推測すれば、この書店(というか販売コーナといったスペースだが)の在庫管理のやりかたはひたすら新刊を追加し、次の新刊がきたら、一冊程度、棚に残し返本しているのだろう。
さて、手にとった新書だが、
- 作者: 箭内昇
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
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個人的なことをいわしてもらえれば、わたしは外資系の日本法人に転職しており、転職して9年目に吸収合併、その4年後にまた吸収合併をされている。常に吸収される側だった。
この本が書かれているのは、欧米の大型合併や日本の合併例で、きわっだった違いは、合併後の人員削減・整理が欧米の場合は徹底的におこなわれることだ。日本の場合は、極力行わずに、共存する道を選ぶ。
わたしの経験では、まず、トップマネジメージメントの覇権争いから始まり、徐々に下の階層におりてくる。管理職では、吸収された側は、約1/3になった。つまり、2回経験すると、0.3かける0.3で、1/10以下になる。自分たちの管理職がいなくなると、自然とその配下の部下たちも自然減していく。
さて、この本は、2001年で、AOLとタイムワーナの合併直後に出版されているが、その後の破綻を知らなくとも、統合の困難さを懸念している。企業文化とかDNAとか言われているが、価値観や経験に基づく判断基準の違いの溝を埋めるのは非常に困難である。合併は、技術や顧客層の確保や、人材の獲得を目的とする場合が多いが、異なる企業文化をとりいれることを目的とした合併は、あまりないように感じる。この本のなかにある、スイス銀行の例は、遺伝子組み替えと表現されている成功事例として紹介されている。