オリンピックは国威高揚
世間はオリンピックでカシマシイ。
日本がなかなか金メダルが取れず、柔道などはとうとう金メダルがゼロになった。これは、柔道というスポーツが国際化した結果と言えるのだが、やはり日本人としては寂しい。しかし、国技たる相撲でも横綱などの上位を占めているのは、もはや日本人が少なくなっている。日本が金メダルの取得が少ないのは、中国などに比べ戦略が欠けていると指摘されているようだ。例えば、日本のお家芸ともいわれた男子体操の中国を見ると、団体戦、個人種目に強化の重点を置いた結果、種目別のスペシャリスト育成に重点を置いた結果、個人総合においては決勝に出てこれた中国選手がいないという結果となった。結果としてのメダル総数は中国のメダル戦略どうりだろうが、体操選手として全種競技に高みを求めている内村選手こそが本当のあるべき姿ではないだろうか。金メダルを目指すことは、結果を求めるスポーツとしての頂点ではあるが、その数がなんの価値があるのだろうか。数の争いは国威高揚の手段であり、実はその国の内政手段に過ぎないのではないか。ナチスドイツのベルリンオリンピック、かつてぼ共産主義国家での職業とも言えるスポーツ育成など、外にむかっての国威発揚というより、その国内に対する統制手段といったらいいすぎだろうか。
ゴルフやテニスなどの発祥の地はイギリスだが、元々は日々の生活に困らない特権階級のみのものだった。それが大衆化したことは、社会が成熟し安定した結果であろう。スポーツ振興は、社会が成熟化した結果でもあるが、その成熟のための手段にもなりうる。しかしながら、近年のメダル獲得競争は、ローマの権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によって、ローマ市民が政治的盲目に置かれていたことを思い出させる。
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