儒教的価値観
法ではなく徳により、統治を行うのが儒教的な価値観である。国は、法ではなく、統治者の徳による民を導く。人治主義なわけだが、では徳がなければどうなるか。無法地帯となる。
江戸時代、初期は武断政治、いわば軍事政権で始まった政権運営は太平の世となり、武威ではない統治を行うために大義として儒教的価値観を持って、世襲制の官僚政治と化した。軍事的脅威が薄れると実態は経済論理が最大優先課題となる。欧米の市民革命は、法と国民皆兵と税金に依存する政府を形成したが、日本の市民革命は明治維新となり、結果として、徴兵制と税金の国家を建設した。
中国の歴史は、動乱と革命、そして安定と停滞の繰り返しであり、動乱期には軍事が、そして安定期には経済が発展している。現代中国の軍事力の増強と経済発展は中華圏の覇権を欲しているが、いまだ、「徳」に依存した統治主義は変わっていないように見える。
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