matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

早期発見は幸運?


毎年健康診断を受けている。バリウムを飲むのが嫌だし、コレステロール値のしてきで生活習慣の改善を毎回言われるのが苦痛だ。生活習慣を改善することは、健康への大前提であろうことは理解できるので、そのモチベーションや状況判断に役立っているのは間違いない。しかし、癌などの早期発見できるのだろうか。もし可能なのであれば健康診断の項目で発見できそうなのは、レントゲン検査での胃癌や大便の潜血検査による大腸癌であろうか。しかしながら、定期健康診断のレントゲン検査で発見できるようであれば、すでのかなり進行しているとも言えるのではないかとい懸念もあった。
しかしながら、検査そのものに対する見方を返させるのが、この本だ。

検査結果自体に、偽陽性の可能性があるということ。
そして、早期発見至上主義自体に見直しを迫る論調である。
献血などの血液検査の結果、HIV患者を検出できる(検査結果が陽性となる)可能性(確率)が、10万分の1で、検査結果の結果が誤りとなる確率が10万分の1だとします。さて、あなたが、HIV検査の結果、陽性と結果がでた場合、本当にHIV患者である確率はどれくらいだと思いますか?
もうひとつは、未婚の女性が乳がん検査の結果、陽性だとしたら、手術を選択しますか?
乳がんは必ずしも死に至る病気ではなく、一部の悪性のものだけが危険であるという癌のなかでは特異的なものだ。しかしながら、組織検査をするためには、切除処置が必要となり、結果として、女性にとって深刻な乳房の切除という処置が必要になる。しかし、それを行えば危険因子は除外できる可能性が非常に高い。しかしながら、それでも転移して死に至る場合がある。真に悪性の乳がんは実は、手術をしても直せないという現実もある。確率的に言えば、それほど悪性になるというのは若年の世代には非常に低い。高年齢なるほど悪性になる確立が高いそうだ。早期発見至上主義の医学的常識は、若い世代からの定期的な検査を推奨している。そしてその検査の結果により、リスク排除のために乳房の切除まで至る。これはとくに未婚の女性にとっては尊厳に関わることになる。リスクをどう考えるか。これは人生観の問題なのかもしれないが、単に数学的観点から言えば、高年齢の女性のみが検査をうけたほう望ましくないだろうかということだ。死に至る悪性の乳がんは早期発見しても死に至る場合が多い。しかしながら悪性である確率は低い。となれば、早期発見する意味がどれほどあるかということらしい。前立腺癌に対する検査も同様なようだ。
さて、さきほどのHIV検査の結果、陽性と宣告された場合のHIV患者である確率は50%である。1/2しかない。難しい統計的な計算ではなく、頻度で考えろと先ほどの本は教えている。HIV患者になる確率が10万分の1で、検査結果の誤った結果が、10万分の1だったら、
もし、10万人いたら、HIV患者は1人が陽性になる。そして、非HIV患者が1人陽性になるということになる。ということは、陽性という結果が出ても、二人に1人しか患者ではないということになる。発生率の低い病気で、かつ検査の精度が非常に高い場合、結果が陽性だからといって即、本当に陽性とはいえないということだ。DNA検査もしかり。他人と一致するDNA配列が非常に稀であることがイコール一致した場合、他人ではないという証拠とされるのが、その背景にある。
しかしながら、検査には必ず誤りがある。コンマ以下の確率だとしてしても。そして、他人と一致しにくいDNA検査は、遺伝的に近いグループでは天文学的な値ではなくなる。兄弟、肉親など。DNA検査で一致したとして、実はその兄弟や親族である可能性がおおいにあるということだ。DNA検査のみの結果で特定するのは非常に疑問がある。

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