matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

「数字」について

最近、統計に関する3冊の本を立て続けに読了。
昔から、職業柄「数字」を扱ってきた元IT屋としては、統計に関心があった。しかしながら、旧来ビジネス現場では四則演算、合計、平均及び時間軸における数値変化しか使っていない。
グラフも、せいぜい時間軸での棒または線グラフ、まれにパイチャート程度。
統計学を駆使するのはごくわずかの人であり、一般人はそれを、理解できないゆえに活用もしないし、信用もしていなかったともいえる。

しかし、今は状況が変わった。

  • 最近流行りの、AI(ML/DL)/ビッグデータ統計学がベース
  • 多様性のなか、「数字」が共通認識とされる

後者は、グローバル化が進行し、多様性が否応なく無視できなく状況が増したことが背景にある。
私は、退職するまでグローバルに事業展開している外資企業の日本法人に30年近く在籍していた。アメリカ発祥のIT企業だが、販路は世界各国になり、従事する従業員は、性別、年齢、人種、文化、宗教、生活習慣、政治信条や個人的信念まで異なる多様性に満ちた。
共通言語は、英語だが共通認識そして価値観は「数字」のみである。「数字」は、個人のもつ多様性に影響されないグローバルスタンダード。
「数字」の実態は利益と損失。そして売上というドル単位の数値である。
行動指針、評価はスプレッドシートの数値であり、「数字」を定義できるかが権力のみなもとになる。創業時にはビジョンや希望そして野望で始まり、成功して成長すると、「株価」をゴールとして経営されることに比重が置かれた結果、経営層はMBA出身の数字屋にその席をわたす。

株価を上げるには、イノベーションであり、成長という現実そして幻想かもしれない展望である。
イノベーションも期待もないない場合は、利益率の向上、売上を増しコストを下げるのだが、一番着手しやすいのは、合理化と言う名のリストラ=雇用の削減である。

過去もであるが、これから一層、「数字」で考える、説得する、そして「数字」を創造する力が必要とされるだろう。そこには、統計に対する理解と活用が問われる。

統計「学」を会得しなくても、それは可能だ。

−データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣
−理論なきデータ、データなき理論に騙されないようにする
−「統計的思考」ただ単に集計した数字ではなく、「バラツキ」を見てそこから真実は見抜いていく

下記、書籍の一読をお勧めする。
統計「学」知識や、理解をかならずしも必要としない。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

ファクトフルネスとは データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル、「ファクトフルネス」

データは騙る: 改竄・捏造・不正を見抜く統計学

原題はStandard Deviationsであり、日本で標準偏差、という言葉が本のタイトル
「データは騙る」という約本でのタイトルは、やや誤解というか間違った先入観になりかねないので、注意

様々な事例をもとに、各種データから巧妙に導き出されるトリックを明かし、騙されないための極意を伝授。ビッグデータ時代の必須教養

理論なきデータ、データなき理論

「どんなデータでも、たとえランダムにつくったデータであっても、じっくり見れば必ずパターンは見えてくる。それがどんなに魅力的なパターンだったとしても、それを裏付ける理論が必要だ」
理論なきデータ、データなき理論に騙されないようにする。
気をつけるのは、自己選択バイアス、生存者バイアス、交絡因子。

ヤバい統計学

ヤバい統計学

ヤバい統計学

原著のタイトルは「Numbers Rule Your World」

数字が世界を支配する

これは、翻訳本タイトルが明らかに不適切
原著タイトルが正しい。

ディズニーランド、交通渋滞、クレジットカード、感染症、大学入試、災害保険、ドーピング検査、テロ対策、飛行機事故、宝くじ-10のエピソードで探求する「統計的思考」の世界。そのウラ側にある数字を知れば、統計学者のように思考し、自分の世界を自分で支配できるようになる。

統計学の本にありがちな「数字に騙されるな!」という内容ではなく、ディズニーのファストパスからテロ対策に至るまで、実は統計学が使われてるんだ

統計学者は、ただ単に集計した数字ではなく、「バラツキ」を見てそこから真実は見抜いていく