matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

利益のだしかた


日頃は販売を支援して、ご購入いただくのを生業としている。
売るための労力と販売額は必ずしも一致しないことがよくある。労せずして大規模な案件を受注することもあれば、多大な工数と時間を費やし、さらに販売後もそのサポートに追われながらも、結果から見るとさしたる金額にならないものも数多い。

営業というプロセスに関わっていると、かけた労力のかなりの部分が徒労におわっているのが現状だ。

この本のタイトルのとうり、牛丼やハンバーグなどの利益は非常に薄く、大量に販売していくことでビジネスとして成り立っている。
低額な商品だけではなく、高額な自動車でも、利益は10万ほどだとこの本には記載されている。販売コストのかかる国内販売ではなく、海外販売の利益で日本の自動車産業はなりたっているのだ。

トヨタなどでは、北米では非常に好調であり、値引きなどする必要も無く販売ができるという状況から利益率が高いのが、いまの好業績の源のようだ。カソリンなどのエネルギコストの上昇が、燃費に強みを持つ日本車ブランドに有利なようだ。

中国やインドなどもアメリカ市場によって大きな外貨収入を得ているのだが、これはアメリカの企業にとって北米市場は必ずしも有利な状況ではなく、好調なアメリカ系企業は、北米以外での売上比率の高い企業でもあるようだ。

中国やインドはその人件費のコストメリットから、経済の成長は加速しているが、その成長は結果として自国通貨高となり、競争力の障害となるがそのときにどう対応するかは、日本が今、どう対応していくかというのと同じかもしれない。

個人の生産性を10倍高めることができれば、これに対応できるだろうか。
生産性における競争は、限りのないコスト削減への道であり、結果として自分自身を追い詰めていきはしないか。
生産性での競争とは、相手との生産性の違いであり、自分自身が10倍の生産性を高めても、競争相手が10倍効率化したら同じ。結局、10倍仕事が増えて得られるもの=利益は同じということになりかねない。

価値とはなにか。特異性がないとコスト比較のみになる。
でも、10倍生産性を高めるより、10倍創造性を高めるほうがより困難だなあ。きっと。