matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

限界集落を作ったのは植林政策?


今日、朝の番組をみていたら、戦後のスギの植林政策が過疎化を招き。国土の崩壊まで引き起こしているという論調だった。
どういうことかというと、戦後、復興のために木材需要の増加に備え、政府が補助金を出し、山間部の耕作地や天然の広葉樹をスギなどの針葉樹に植え替えてきたというものだ。40年後、スギの値段は輸入材により下落し木材を切り出しても収入にはならず、手入れされない森は保水力を亡くし崩落しやすい土壌とかしたものだ。その結果、山間部の集落は、若い人たちは集落を離れ、高齢化が急速に進み、集落として存続ができない限界集落となっているという。
これが、すべて、国の補助金政策のせいだというのだ。
地方の問題が高齢化にあり、それの背景には人口の都市部集中にあるのは事実だが、それが、植林の補助金というのは、いかにも近視眼的ではないだろうか。厳しい林業の労働環境と収入の低さが都市部への人口流出の最大の理由であろう。山間部に収入の糧をもとめるのならば、いくら補助金があろうと、40年後にしか現金化できない植林のみに依存するとは思えす、事実、シイタケや栗の栽培など、山間部での複合的な産業化をおこなっている地域の紹介もあった。
補助金によって、山間部の農業など生活を脅かしたというより、補助金という採算性の低い林業に対する支援としては必要ではなかっただろうか。
私の母の実家も山間の集落で、最近は確かに高齢化と過疎化が進行している。幼い頃の記憶に比べ、やたらと林が増えていることはたしかだ。製材所を経営してる建築業を営んでいるが、輸入材をトラックで港からわざわざ山間部の製材所まで運んでいた。山から切り出す手間より、輸入材を購入したほうが、割安なのだ。
国内の木材の原価はそれを切り出す人件費に大きく依存する。
世界的にも人件費が高くなっている現状が、国内の林業を圧迫していることが最大の理由だろう。
では、日本の人件費が高いのは悪なのだろうか。それは富の分配が広く行われているということではないだろうか。