先週の読書
- 作者: 若林幹夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/03
- メディア: 新書
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著者の「郊外」経験から社会学的考察をした著作。
世代的には著者と同世代になる自分にとって読んでいて、おもわず、あるあると感じてしまう個所が随所にある。
ISBN:9784896918472 でも、郊外論があったが、戦後の急激な核家族化と都市化が生んだ郊外は、いま老齢化し世代交代をしようとしている現状が見える。
郊外の新興住宅地の同質性は、高齢化社会の先駆けにさえ感じる。
母親の山奥の集落は過疎化により消滅しつつあるかしれないが、おなじ状況が、郊外でも起きているような感もある。町内で、空家と老人の孤立世帯が増加している。
- 作者: 坂野潤治
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/03/01
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- 作者: 小島慶三
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1996/08/25
- メディア: 新書
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幕末から明治初期についての2冊。
意外だったのは、明治維新の多くの改革が、大久保や岩倉の外遊中におこなわれたことだ。江藤新平や大隈重信などの薩長ではない人々によって行われ、それを支援していたのは、西郷隆盛や板垣退助という図式。征韓論という一見軍国的発想に見えるのだが、その政策が否定されて退陣した人々によって、江戸時代から近世への変化の舵を確かに切ったようだ。
征韓論を否定した大久保らはその後、台湾出兵や西南戦争という軍事的手段をとっているのは歴史の皮肉なのか必然なのかどちらだろうか。
同時代にアジア各国は、西欧勢力に飲み込まれているのに、なぜ日本だけがそれを免れたのか。なぜ日本だけが、近代国家として自立できたのだろうか。
明治維新という改革がその大きな成功理由だということなのだが、その基礎は、えいえいと続いてきた日本の歴史的蓄積があったのでないだろうか。明治維新を導いた人々の教育は、漢学や儒学などがベースとし、経済的ベースは、たとえば堂島の先物市場であり、銀行業ともいえる両替商では為替などのファイナンス的ものさえ備えていた。ファンデメンタルは、江戸時代から蓄積されていたのではないだろうか。
- 作者: 鈴木眞哉
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2007/02
- メディア: 新書
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従来の歴史的常識に対してのアンチテーゼ的な著作が多い著者でもある。
特に戦国時代の著作が多いが、ふと気が付くとこの著者の新書は、買ってしまっていることが多い。書店で面白そうな新書があるととりあえず購入してつんでおくのだが、この作者の新書は、ダブって買ってしまったのはこの本が初めてではない。
今は、新書ブームで、買いそびれると新刊に追い出されてしまい、入手がむずかしくなりがちでもあり、また出版のあまりの早さと量に、見逃したら目にとまる機会すらのがしてしまうからでもある。
でも、この本、大河ドラマの批判本というか、それをネタに薀蓄を語っている感がある。エンターティメントというかフィクションでるドラマにそこまでという感じもするが、大河ドラマが史実に基づいている点もあるので、歴史的事実を混同してしまう人が多いのも事実である。
考えてみたら、自分が知っていると思い込んでいる歴史の薀蓄もどこまでが、歴史なのか物語なのか区別がしがたい。いわゆる逸話的なものは、「物語」の範囲なのかもしれない。