天皇史観
日本は世界でも珍しい天皇という存在がある。2000年近く脈々と受け継がれてきた系譜は、日本の歴史と密接な関係があるだろう。天皇という観点から見た史観かもしれない。
- 作者: 吉田孝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/01/20
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中国は革命が前提の史観であり、皇帝は変わるのが前提だが、天皇制は、変わらない事が前提だ。
それは、祭政一致から、分離した結果であろう。天皇は統治をしない。キサキを提供し、外孫の支える一族が「政」を担当する。天皇は、財産も私有できず、政治もおこなえないならば、譲位して、上皇になれば、それが可能になり、院政となり、そして、ケガレを代行する「武」を担当する侍に「政」もまかされた。
将棋は、チェスなど世界中に相当なものがあるが、取った駒を使えるのは日本だけではないだろうか。
戦国時代でも織田信長以外は、ジエノサイトはなかったような。
あの大化の改新という、最高権力者の惨殺という状況下においても、ほぼ戦闘もなく政権交代が実現している。
平安時代、薬子の変から保元の乱までの350年間、天皇採決の死刑は無かった。菅原道真も左遷のみで死刑ではない。
もちろん、時代の変わり目には争乱の時代も繰り返し行われているが。