陰陽道とは何か
- 作者: 戸矢学
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: 新書
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安倍清明が映画化され、一般にも知られた陰陽道ですが、なにか怪しげな感じしかしなかったが、これが日本固有のものなのか、それとも、大陸から伝わった道教系のものなのか、よくわからなかったが、日本独自なものという印象に変わった。一番、新鮮だったのが、「鬼門」を嫌うというのは、日本固有なものであり、中国や朝鮮での風水とは違うものであるということだ。
農業が国家の主産業である民族にとって、暦というのは、農作業の基本であり、天文学は、暦を作成するための手段であったことは、当然の帰結なのかもしれない。
マヤ文明、エジブトなど、測量と天文観測は、すべて灌漑工事や農作業の生産計画には欠かせないものだったに違いない。占いというと、根拠もあやふやに見えるが、一定のポリシーにしたがって判断されることから、ある一貫性がでることになり、長期的には基本方針に基づいた政策や施策をとっていることになるのかもしれない。価値観や判断基準をきめることは、集団で組織的にかつドルすることの基本である。
あるときは、それは宗教であり、慣習であり、過去の事例・実績であろう。コーランも、その内容としての一部は、アラブの民族的な生活規約をまとめたものであり、それが生活規範となっている。
占いとして、手相とか星座とか、血液型とか、誰にでもありそうなことが必ずはいっているような気もするが、ある意味では、長年の人間としての行動パターンを分類したものであろう。過去の行動パターンをベースに推測、それは仮説として、検証していくという、ある意味では非常に論理的なものかもしれない。