matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

アメリカの占領

イラクでは選挙にともない、混乱状態が続いているようだ。イランでは、大使館占拠事件などアメリカを敵視し続けてきたが、アメリカ批判だけでは経済的な発展が望めないという背景に国民も気付き始めてきたというところだろうか。アラブ地域ではパレスチナ問題という宗教的な背景のため、イスラム経のジハード対象としてアメリカにそのい矛先が向き、しかも、石油メジャーの影が色濃くでているのもいがめないところだろう。北朝鮮においては、石油など資源や経済的なものは望めないためアメリカ自体が関心を持たないためか、核実験やミサイルなどやや一方的な感がある。
アメリカには、朝鮮半島など極東地域に対する関心は、かつての冷戦時代に比べ外交的な重みがなくなっていることは歪めない。世界大戦以前も、あくまでもアメリカの関心は南北アメリカ大陸であったかのようだ。
しかしながら、世界はアメリカをもっとも意識している。経済的にも軍事的にもだ。世界の基準通貨はドルであり、アメリカの国内経済問題であるサブプライムも、リーマンショックとともに世界的に不況を巻き起こしている。世界経済は、アメリカにいまだに依存していることを、今回の金融危機ははからずも露呈したかたちだ。
日本は、歴史上、初めて異民族の占領を受け、多民族の支配におかれたのが大戦後だ。その占領司令官であった軍人に対し、感謝と憧憬の念を持っているのは、歴史的にいっても稀有なことではないだろうか。

マッカーサー―フィリピン統治から日本占領へ (中公新書)

マッカーサー―フィリピン統治から日本占領へ (中公新書)

アメリカにとって、重要だったのはヨーロッパのことであり、それに自らが参戦するために恰好の事実として寄与したのは、真珠湾攻撃を始めとする日本との戦争状態への突入であろう。しかしながら、マッカーサーからみれば、まさにアジアが彼の関心先だったことが、よくわかった。かのアイゼンハワーがマッカサーの副官となっていたことなどその後のことを考えると、興味深い。ヨーロッパ方面の総帥であるアイゼンハワーが後に大統領となり、マッカーサーは「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」だったのは、アメリカという国が、アジアに対する位置付けという気がしてならない。