matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

来年の大河ドラマ


年末である。
年があけると、新たな大河ドラマが始まる。来年は風林火山山本勘助が主人公だ。山本勘助は、あまりにもドラマティックなキャラクタのせいか、虚構説が根強くあるが、歴史的史料としては市川文書のみにそれらしき人物が見られる。それ以外では、甲陽軍艦のみに記述され、それをネタにして後世に様々な脚色がされているが故に歴史的な存在が疑問視されてきたようだ。そのネタ本ではどう記述されているかを解説しているのが、

山本勘助 (講談社現代新書)

山本勘助 (講談社現代新書)

我々が歴史的と思っている逸話は、”物語”に書かれていたことが多く、実は歴史的に証明できているのはごく少ないのではと思えるが、私みたいなミーハーな歴史ファンは、面白いのがよい。よく大河ドラマで考証的な誤りを指摘する歴史マニアのブログなどが多いが、なんとなく野暮に感じるのはわたしだけだろうか。
フセインが処刑されたというニュースがされているが、独裁者である彼の政権が崩壊した後、モザイク国家であるイラクは混沌としている。日本では戦国時代のあと太平の世がきたわけだが、イラクという国家が民族や宗教的な考慮されていない砂漠上に国境が規定された背景からいっても統一的な政権がでる気配がみうけられない。
中国は、広大な国土であり、地政学的にみてもひとつの国家というより、複数のクニの連合体的性格が強いが、それを超える強力な施政者が現れるのは、なぜだろか。漢民族という少数民族を吸収してしまう存在があり、民族というよりその文化的なある種均一にしてきたのは、科挙が共通の評価項目として文字を共通にしたことと、広い国土を水運などにより流通網が各地域がおのれ以外の地域への依存度をもたらした。揚子江以南の米に、黄河以北が依存し、供給者側も市場として華北に依存しているとも言える。
中国でなぜ阿片があれほど広まったのかというその理由を、塩の販売による流通網の整備をあげたのが、下記本に書かれていて興味深い。
阿片の中国史 (新潮新書)

阿片の中国史 (新潮新書)

中国は、巨大な人口と広大な国土を持つが故に、生産力と消費力を併せ持つ。中国の規模を超えるリソースを持たない中国以外との交易は構造的に輸出超過になる。銀が、ブラックホールのように中国に流れ込んだとき、そのためにイギリスは阿片という市場を創設し、経済的な不均衡を解消した。
いま、中国は世界の工場と化し、ひたすら商品を世界に供給し、結果としてドルなどの外貨が中国にながれこみつつある。
現代の中国にとって阿片になるのは、資本主義かもしれない。