matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

難病に新薬は期待できるか

ファイザー、日本を翻弄 ワクチン交渉、劣勢での契約

強気ファイザー「首相を出せ」 ワクチン争奪交渉の舞台裏
www.kanaloco.jp

新型コロナウイルスのワクチンを巡るファイザーからの返答に政府関係者は絶句した。ワクチンの総合調整役である河野太郎行政改革担当相が「私が直接、ファイザーと話をする」と乗り出した直後、相手は「交渉には首相を出してほしい」と逆指名し、一閣僚は相手にしないとの強烈な意思を示した。巨大企業との協議はあっという間に暗礁に乗り上げた。

命の巨大ニーズを背景にビッグファーマーは、国家権力すら翻弄される。

国内開発は、国の認証手続きが面倒で 採算がとれないから国内メーカーが 開発に手が出せない

創薬には長い時間をかけた試験が実施されます。薬の素となる新規物質の発見と創製にあたる基礎研究に2〜3年、非臨床試験(製剤学的試験、毒性試験、薬理試験、薬物動態試験など)に3〜5年、その後ヒトを対象とした有効性と安全性の試験である臨床試験(治験)に3〜7年かかります。

コロナウィルスは、例外だ。

現在、創薬で最も開発費が投入されているのはがん治療に関する領域で、今後もこの分野が新薬開発の中心になるとみられています。

対象者が多く利益が期待できる。生活習慣病や高齢化への創薬も企業としては大きなターゲットだ。

患者が希少な難病は、企業としては対象になるだろうか。

例えば、私の罹患している脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)は、国内で3万程度。指定難病としては、多いが、数十人から数百人という指定難病もある。

資金力があるビッグファーマーは大きな利益が期待できない難病に投資がされないし、ベンチャーや研究者達もしかり。
やはり行政からの資金提供などが必須だ。

国の難病対策
www.nanbyou.or.jp


Ⅵ (3) 創薬等の治療方法の開発・実用化に向けた取組について.pdf
https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/20190516_020.pdf%22

患者数が少ないために開発が進みにくい医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発を積極的に支援する。
.....
指定から承認申請までに必要な試験研究に要する直接経費の2分の1に相当する額を上限。

治験以前に対する支援はなさげ。

もはや、国内製薬メーカーはビッグファーマーに対抗できない。

メガ・ファーマ (Mega Pharma) とは、メガ・ファーマシーの略。日本語では巨大製薬企業と訳され、主に海外の巨大な製薬企業を指す

日本の製薬市場は世界第2位の規模を誇りながら、世界に代表する製薬メーカーが存在しないという現状になっており、合併やM&Aによって巨大な企業に成長してきた海外メーカーと比べて、日本の製薬企業の規模は相対的に低い

製薬業界の世界ランキング:武田薬品アステラス製薬はなぜ世界で10位以下なのか
www.sbbit.jp

製薬業界のM&Aが過熱している。医薬品の研究開発には莫大な資金が必要で、製薬会社は経営規模を追求せざるをえなくなっているからだ。有望な新薬を手っ取り早く獲得するという目的もある。米国のファイザー、スイスのノバルティス、ロシュなどは「メガファーマ」と呼ばれ、ますます巨大化している。一方、こうしたグローバルの動きを見据えて、日本の大手製薬会社の合従連衡も盛んになっている。しかし、欧米勢に比べて日本勢はまだ小粒であり、日本最大の武田薬品アステラス製薬ですらトップ10にも入っていない。

世界の医薬品売上高ランキング(2013年)
(出典:セジデム・ストラテジックデータ株式会社 ユート・ブレーン事業部調べ (c) Uto Brain Div./Cegedim Strategic Data)
f:id:matsuok:20210307134013j:plain

上記は、かなり古い
www.digital-transformation-real.com

第9位の「武田薬品工業
2018年の医療用医薬品売上高は174億ドル(約1兆9140億円)ですが、アイルランドの製薬会社シャイアーを2019年に買収したことで大幅な業績伸長が予想されています。

もはや国内製薬メーカーというより、グローバル企業だ。

巨大製薬会社が支配する医学界。
そこにもたらされる巨額の収益。

発展途上国が必要とするマラリアHIVの治療薬を50倍に値上げした製薬会社の元CEO。妊娠中の服用で胎児に先天性の精神障害や奇形を引き起こす可能性がある薬に対して対応を怠ったとされる製薬会社。

ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実

ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実

「製薬業界の技術革新力が特に優れているわけではない。重要な薬の多くは、公的研究やバイオテク企業から生まれている」「製薬企業は薬が良く効くように見せかけるため、臨床試験に細工を施している」「薬の開発に多額の資金が必要だというのは嘘で、ほとんどはマーケティングにかかる費用である」など

マーシャ・エンジェルさんは大きな問題に対して、以下の方法を提案されています。詳細なニュアンスは是非本書から

1.製薬会社が作り出しているのはゾロ新薬ばかりで、画期的新薬は少ししかないこと
 2000年から2003年までの4年間でアメリカで承認された新薬は314品目あるが、画期的新薬といわれるのはわずか32個しかなく、そのうち上記大手10社が開発したのはたったの7個しかない。それなのに大手10社は研究開発費が不足して新薬が開発できないなど主張している。(画期的新薬を開発するのは、大学の研究機関だったり小さな製薬会社だったりする。大手10社は、その使用権を買う)

2.米国食品医薬品局(FDA)が本来は規制する対象であるはずの製薬業界に隷属してしまっていること
 米国食品医薬品局の立場を強めよ

3.製薬会社が自社の製品が関係する臨床試験に干渉しすぎること
 臨床試験を監督する機関を作れ

4.特許や排他的販売権の期間が不必要に長く、いかようにも延長できること
 独占販売権を制限せよ

5.製薬会社が自社の製品について、医師の教育に干渉しすぎること


6.研究開発、広告宣伝、薬価算定に関する情報が公開されていないこと
 ブラック・ボックス

7.薬価が高すぎること、不安定なこと