matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

いやはや

私、生まれてから半世紀になろうとしてますが、いちおうIT技術者です。世間的にはSEですと言ってきた人間です。まあ、この業界に長く生きてきましたが、正直、困ったというか、妙に納得してしまう本です。

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

どちらかというとIT業界からはネタばらし的なところがありますが、そこに発注する側として読んでおいてほうがいいかもしれません。IT業界人間側としては、自戒の意味もふくめて修行の一環として読了すべし。
IT業界が3K職場として世間に認識され、SEという職業が先端業種という扱いもされなくなったのが、私がこの業界に入った頃からの違いだろうか。実は3K体質だったのは、昔からなんですが、昔はまだ希望をもってこの業界にくるかたも多かった。
ERPなどの普及は、開発という一種、職人的な作業形態を技術者的な作業になってきたのではと思えるときもあります。昔の開発では、言語とコンパイル、実行(JCLといっていたのですが)の仕方さえ、知っていれば開発にかかることができました。目の前にあるのは、木と大工道具だけっていうかんじです。全体を把握している親方の下、あるものはひたすらカンナで気を削り、墨付けした木材を刻んでいた。参考になる教科書も、文献もなく、あるのは先輩からの指示とまねであり、徒弟制度的なOJTでした。方法論もツールもプロジェクトにより、さまざまだったのです。
いまは、ツールやソフトウェア製品の充実は、飛躍的に生産性を高めた結果、開発者が知らなければいけないことは飛躍的に増え、創造性が要求されるよりはより、標準化や遵守性が求められる形態になってます。
しかしながら、システム化というかIT化が、いまだに問題になるのはコンピュータやIT技術の問題よりも、人間的な要因が大きいと思わざるをえない。

その他、読んだ本

鉄道地図は謎だらけ (光文社新書)

鉄道地図は謎だらけ (光文社新書)

文章は軽妙で面白くよんでいたのですが。
うーん、全部読みきるには鉄っちゃんでない私にはキツカッタデス