ロマン

最近、歴史のロマンを強く感じる出来事は、かつてチベットでナチスが発見した大昔の仏像が、隕石（隕鉄）を彫刻したものだったことが判明したことだ。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120928004
天から降ってきた貴重な金属を、信仰心の篤い昔の人が畏敬の念を感じて仏像にしたのだとしたら、仏像に加工したのは、11世紀のことだが、その隕石はおよそ1万5000年前にモンゴルとシベリアの間のいずれのかの地点に落下したらしい。つまり、1万4000年間そのことを伝承しつづけたということだろうか。隕鉄を貴重な金属として、道具に使っていただけで、仏像として加工されたときは天から降ってきた隕石として認識していなかったかもしれない。日本の神社で隕石をご神体として祭っているケースもあるから、宗教は変わっても、信仰対象としては引き継がれていたのかもしれない。神話として口承されてきたもののなかには、ノンフィクションではない事実も含んでいるのだろう。　
その仏像をアーリア民族至上主義のためにチベットまで探していたのは、インディ・ジョンーズの映画そのもの。ナチスは、仏像を発見時にはそれが1万5000年前の隕石だとは知らなかったことも歴史の皮肉かもしれない。

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