matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

やらなければよかった


人は、行動を起こさなかった後悔のほうが、行動した結果の後悔より大きい。
というようなCMを見た記憶があるが、たしかにそう思える。歴史にもifはあまり意味がないかもしれない。しかし、戦争となると話はべつなようだ。

長州戦争―幕府瓦解への岐路 (中公新書)

長州戦争―幕府瓦解への岐路 (中公新書)

長州征伐は、2回行われている。1回目は戦わずして幕府側の勝利に終わり、2回目は実際に戦火を交え、幕府側が惨敗している。井伊と榊原という徳川四天王の2藩が緒戦で、鎧を着て長州軍の射撃により惨敗しているのは、保守的な体制が新勢力に圧倒されるのを象徴している例だろう。

幕藩体制から集権国家への変革期、最大の経済力と組織力を保持しているはずの幕府が、鎖国という閉鎖的な側にいたはずの長州にライフル銃の銃弾に屈する。開国したはずの幕府こそ、変革ができなかったのだ。

歴史の結果を知るからこそ幕府側が敗北したのは自明のように見えるが、当時の一般的な見方と必ずしも一致いていないはずだ。だからこそ、勝算をもって戦争を始めたと言えるかもしれない。