matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

江戸三〇〇年「普通の武士」はこう生きた

  • 武士とはいかなる人々だったのか

時代劇ででてくる武士の姿と、実際のものとの乖離があるということを認識させてくれる。たとえば、武士というのは、世襲制であり、代々変わっていないということも、江戸時代初期にはかなり違っていて、人材の流動性があり、2君につかえずというより、転職もあり。

武士の教育水準も低く、「サムライ」のイメージを崩す面もある。
結構、自分として思い違いしていたのが、所謂「士族」の比率である。1873年で、5.7%であり、ヨーロッパでは、1%程度が貴族だそうだから、数十石程度の武士であれば、その程度の比率とのこと。華族というのは旧大名などだから、実際はほとんどの中級武士以上は、貴族相当ということになる。

  • サムライとは

対外的なイメージでは、サムライというのが、日本人の美徳みたいな捕らえ方をされているのだが、それは、「葉隠」や、新渡戸の「武士道」のイメージかもしれない。サムライというものから受けるイメージは、切腹だが、それが、自己犠牲の精神や、潔さを感じさせるのだが、軍事技術の商業軍人としての面ではなく、柔道や剣道という名にふくめれている「道」が哲学にみえるからなのだろう。
この本での結論は、
「サムライとは禅の心を体現した武人」

しかし、この本では、「道」を究めているかというところには疑問をいだかせずにはいられない。

  • 転職もあたりまえ
  • 教育水準は低い
  • 賄賂と役得に走る(そもそも給与水準が低いから必要悪)