AIには、統計学が使われている
人間の思考には、演繹的推論と帰納的推論がある。
従来のAIは演繹的推論が中心であり、「知識」や「知能」は、ナレッジルールと呼ばれるルールを定義する必要があった。
人は、経験という名の既知のルールと、ルールベースではない「カン」で判断する。
理屈がわからなくても、過去の経験からもっとも似通ったパターンを思い出す。これが帰納的推論。
最近のAI(DL/ML)は、超はしょれば、既存データを「分類」し相関関係を見出す。
従来のIT処理と違うのは、その分類と相関関係が膨大な組み合わせを見つけ出すことが可能となり、画像や音声認識という分野で確かな成果をだしている。
その成果を、故障診断や需要予測などの最適解を自動判断できるビジネス課題解決へ期待されている。
現時点のAIツールを用いれば、データから相関関係や分類が自動的に明らかになる。となると、過去または現状データから、起こり得る結果が推論され、自動化が可能となる。
ここで、留意したいのは、
相関関係 ノットイコール 因果関係
理論なきデータ、データなき理論に騙されないようにする
- 相関関係は、理論なきデータ
- 基となるデータの質と量
結局、理論を解明するのは今のAI技術では、完結しない。
「人」が必要となる
ビジネス課題を解決するには、対象となるビジネスへの知見や経験が必要であり、最小限の統計的思考が必要となる。
AIにおける数学の知識
機械学習のアルゴリズムは擬似コードとして書かれますが、擬似コードの計算式は数学を使った状態で書かれています。
それらの処理がどんな計算をしているのかを知るために、主に微分積分、線形代数(ベクトル、行列)の知識が必要。
また、アルゴリズムの狙いや正当性把握するには確率・統計の知識も必要になります。
それは、データモデリングという、データ同士の相関などパターンや構造を見つけたり、分類、異常検出などの予測、解析、検証などを行う過程が必要です。
数学の知識ですが、これは高校レベルの数学で十分な知識が得られます。
AIの歴史を振り返ると、推論や検索に基づいた第1次AIブーム、エキスパートシステムの開発が流行した第2次AIブームがありましたが、「第三次AIブーム」の熱は冷め、AIに対する過度な期待とその期待に便乗したAIの誇張です。つまり、AIで実現可能なことを実際より大きく見せることで期待を煽りますが、その期待に応えられない度にブームが終息してきた。
1980年代には、日本で第5世代プロジェクトというAIに関する大胆な挑戦が熱狂とともに試みられた。
これは、欧米に対し、日本の国家的な脅威とみなされたが、結局成果をもたらすことなく、退場した。
同プロジェクトは1982年から1992年まで続き、ヒトの知能を超える人工知能の開発を目標としていた。同プロジェクトの成果物として並列推論マシンが開発されたが、そのマシンを活用したソフトウェアが開発されなかったため、新たなコンピュータ市場を創出することなくプロジェクトは終了した。
当時、若き私は、国産ベンダーにソフト開発要員として派遣業務をおこなっていたが、関与していた別の官公庁プロジェクト内にいたベンダーの若手社員の一人が第5世代プロジェクトされたが、けっして能力とか育成とか言う基準ではなく、進行中案件遂行にもっとも支障をきたさないという基準で選択されていた。
結局、はやりのワード満載のお役所目玉政策として、バブル前でもあり過大な予算先行の、ゴールがないプロジェクトと記憶している。
ディープラーニングはすでに限界に達しているのではないか?【前編】
ディープラーニングはすでに限界に達しているのではないか?【前編】 | AI専門ニュースメディア AINOW
2010年以降にAIブームが復活したのは、ひとえにAIがあるひとつの新しい種類のタスクを習得したおかげである。そのタスクとは分類だ。より精確に言えば、ニューラルネットワークのおかげで科学者たちは画像や自然言語を含むほとんどのタイプのデータを分類する効率的な方法を開発したのだ。自律自動車でさえ、クルマの周囲を撮影した画像が(給油、ブレーキ、左折、右折、etcといった)相互に独立したアクションに翻訳されていると見ることができるので、分類のタスクを実行していると言えるのだ。
AIのブームは終焉へ。でもAIの発展は終わらない。
AIのブームは終焉へ。でもAIの発展は終わらない。 | AI専門ニュースメディア AINOW
2020年、今まで大きな注目を集めていたAIのブームが終焉を迎え始めています。同時に、企業全体のデジタル変革がDX(デジタルトランスフォーメーション)として注目を浴びています。
これからの事業運営では、AIだけに固執するのではなく、総合的にICT技術を活用し、社内の業務や事業をアップデートしていく必要があります。
機械学習エンジニアが職を失いつつある。しかし、とにかく機械学習を学ぼう
機械学習エンジニアが職を失いつつある。しかし、とにかく機械学習を学ぼう | AI専門ニュースメディア AINOW
古典的なアルゴリズム+ドメイン知識+ニッチなデータセットを使えば、ディープニューラルネットなど使うまでもなく、ほとんどの現実的な問題を解決することになるだろう。私たちのほとんどは、最先端のAIが必要な自律自動車に取り組んでいない。
機械学習について考えてみよう。そして、機械学習を使って現実の問題を解決するためにモデルを概念化し、訓練し、実装してみよう。こうした開発過程がいまだにどれほど難しいかわかるだろう。そしてすぐに、全般的人工知能(AGI)による乗っ取りからいかに私たちが縁遠いかもわかるはずだ。