日本発の商品はなんだろうか
FAX,VTR,ウォークマンなど日本発で世界に広まっていった製品があった。電話機のコネクタ形状は国によって異なっていたが、FAXに接続するコネクタは世界的な標準になった時期もあったぐらいだ。しかしながら、それらの製品は既に過去のものになっている。FAXはインターネットのメールに、VTRはDVDというかパソコンのHDDに変わられ,携帯音楽機器にいたってはipodにとって代わられ、いまやウォークマンという言葉さえ忘れられている。
今,日本発と思われている製品はなんだろうか。デジタルカメラは日本だという感じがする。後はなんだろうか。ノートパソコンも昔は日本が得意な製品分野だったが、いまや台湾、中国のメーカ。現在、日本が強みを発揮しているのは工作機械や部品など最終製品ではない分野のような。携帯電話は、ガラパゴス化で日本特有の市場ニーズに合わせ世界に類をみない高機能化しているが、その反面、技術的な強みはグローバル展開できないコスト要因になってしまっている。したがって最終製品としての携帯電話は世界市場では皆無に近い。しかしながら、日本の携帯を実現するための部品は、実は世界進出できるはずだ。日本特有商品といえば、HDDレコーダがあるが、HDDレコーダは売れなくとも、画像処理プロセッサーのカスタムICは十分世界的に通用するのではとも思える。アメリカの消費者はAV機器などにあまりブランドのこだわりがないそうだが、その背景には画像処理や音響処理がデジタル化された結果、処理チップなどの部品レベルがおなじであれば差がないことを良くわかっているのではないかとも思える。パソコンがいい例だが、どこのベンダー製でもCPUなど構成部品はみな同じだ。OSが同じであれば機能も同じになる。
製造できるものに差がつきにくい今は、市場を把握しているのは最終販売者だ。ナショナルブランドではなく、販売業者のプライベートブランドのOEMのみになりかねない。
鈴木敏文の「統計心理学」―「仮説」と「検証」で顧客のこころを掴む (日経ビジネス人文庫 (か3-2))
- 作者: 勝見明
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/03/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
鈴木敏文の「本当のようなウソを見抜く」―セブン‐イレブン式脱常識の仕事術 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 勝見明
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/07/01
- メディア: 文庫
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (2件) を見る