人気とは虚像か
大河ドラマで視聴率が取れるのは戦国時代と幕末だそうだ。
3傑の信長、秀吉、家康はもちろん、最近では山内一豊やら前田利家などまでが主人公になっている。数多くの小説にも取り上げられ、いろいろな挿話もあるせいか実像がよくわからない。
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我々が知っていると思っている歴史的知識というのがどこまでが事実なのか怪しいものだ。
残されている正史と言われるものは云わば、勝者側の記述に多大な影響がある。
日本書紀など当時の政権側にある側面からの記述なのだろう。秀吉などは徳川政権から見た評価であったはずだ。しかしながら、明治以降、徳川幕府に代わっていた政権側の評価基準が変えられている。
江戸時代は、長期に渡って安定した政治体制が持続した時代でもある。戦国時代という戦乱のなかから誕生した軍事政権が、いかに文治化していったか。
それを可能にした要因はなんであったのだろうか。
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江戸時代における施政者の代表は、やはり「老中」だろう。
しかしながら、所謂「殿様」に実務能力があったかというと、限りなく怪しい気がする。
実際の行政の担い手はより現場に近い世襲化された技術官僚だったのだろう。
日本はトップダウンというより、ボトムアップ型社会といわれるが、より上位の地位につけばつくほど判断できる情報や経験からは限りなく遠い。結局は権限委譲と人事のみがその役割になっていく。人事を握るには多数派になるか、より大きな権威に阿ることこそ肝要。つまり、派閥闘争となる。
なんか、今の政党と官僚のような。