鉄は国家なり
古代、鉄を制するものが政権をとり国家を形成していた。
- 作者: 桶谷繁雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/07/11
- メディア: 文庫
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古代、中国の平原地域などは森がうっそうと茂る気候だったようだ。それが、荒涼たる黄土の風景になっている。朝鮮でも木材が貴重であり、木材は中国では貴重なようだ。
鉄、塩、陶磁器という生産活動は、どれも大量な薪を必要とする。
さきの書でも、鋼1トンをえるためには、砂鉄12トン、木炭14トンが必要であったそうだ。木炭を作成するにはその4倍以上の量の木材が必要であったはずだ。
ジブリのアニメ映画の「もののけ姫」でその状況が描写されている。タタラのまわりの森が無くなっていく姿だ。
火が、鉄、塩そして陶器を作り出す。
火は二酸化炭素を生成し地球温暖化の原因だが、木材などを燃焼している限りは、光合成をおこなう植物型燃料を受かっている限り総量は維持される。しかし、成長速度を超えたとき砂漠化する。森が消えていくのだ。中国では森は燃えつくし、早くから石炭を使い陶磁器を焼き、その火力によりあの磁器できたのではないか。
化石燃料を使用すれば、森はもやさなくともよいが、二酸化炭素としては増加する一方である。
鉄が文明を進歩させ、人類の発展と60億を超える人口を形成してきた基盤のひとつであることは間違いない。
化石燃料でもなく、核燃料でもないエネルギーが確保できるだろうか。