matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

成熟した民主主義かも

スコットランドの独立は住民投票により実現されなかった。18世紀に合併された国家が住民投票によりその独立が達成でき得るということを現実に行ったわけである。そこには流血も暴力もない。まさに民主主義を垣間見た感がある。そのイギリスでは北アイルランドではIRAなど、血が血を呼ぶ過去があったのは半世紀すらたっていないのにである。イギリスは立憲君主国家でもある。既得特権を持つ階層社会でありながら、揺り籠から墓場での高福祉社会を先駆けて実現しながら、経済破綻からの再生において、多大な国民負担を強いる政権を選択した過去も選挙によって選択してきた国でもある。
EUという国家を超えた共同体を実現してきた欧州内で分離独立の気運が多いのは意外だったが、EUNATOの存在が強力な国家の存在感を薄めていくことの帰結だったらしい。ITと金融はグローバル化を推進しているが、多様な価値観と格差の拡大は、個々のグループ化も進行していくのではないか。かつての国家間でのサバイバルはスケールメリットにより勝者と敗者が決定された。複数の民族を複合化する帝国化は国家の枠組みをより強くし、拡大していくことが勝者側になる必要条件であった。これは企業がより、利益の追求と成長を最優先目的としていくことに似ている。そのためには組織の理論が優先されるのだ。企業における選択は株主によって最終決定されるが、今回のスコットランド独立は国家にとって従業員である民衆によって選択できたことになる。