備えの難しさ
猛暑から大荒れの天候に代わってしまった。広島での災害は震災を除けば近年にない死亡者の数となっている。新興住宅地には災害の記録も体験もない。古くから人が住んでいる地域との違いだ。
個人的な体験でいえば、高校生時代に自宅が冠水し、ほぼ水没したことがあるが、洪水に比べ土砂災害はとても恐ろしいと思える。わたしの地域は田畑であったところが住宅地になり、私の両親が移り住んでから50年近くなるが、避難するような床上浸水は、それ以降起きていない。当時浸水した町内の家々はほぼすべて建て替えられたが、皆一様に、かさ上げや床を高かくしている。しかしながら、近年に新築された家々は、別段敷地のかさ上げなどはされていない。30年以上、私の地域では床下浸水すら皆無でもある。敷地をかさ上げしたか、床を高くした家では住人が高齢化し、日常生活から言えば障害にしかなっていないのが現実だ。当時の私はまだ高校生であり、罹災の体験は初めてだったが、町内の古老たちも一様に、こんな災害に会うのは初めてだと言っていた。
自然の時間軸からみれば、人間の人生はあっという間だ。化のポンペイは町ごと火山の噴火により埋没したが、なぜ火山の近くに町ができたかと言えば、噴火サイクルが長いからだ。長い目で見れば、どこに住んでいても災害にあってしまう可能性を持っているというのが現実でもある。
読了日2014年08月09日
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