国策としての優先投資
閉塞感の漂う日本経済において、明るい話題は東京オリンピック誘致とリニアモーターカーの建設であろう。かつての高度経済成長の象徴は1964年の東京オリンピックと新幹線の開通であり、それらを彷彿させる。
当時の社会的な課題は公害などの成長の歪でもあった。現在の日本の課題は急激な少子高齢化に伴う国家経済の悪化であり、フクシマの原発であろう。この状況下でオリンピック誘致とリニア建設はなにをもたらすのだろうか。アテネオリンピック後のギリシア経済崩壊が脳裏に浮かぶのは心配性の私だけではあるまい。東京オリンピック誘致は東京を中心として社会資本への投資を加速化するが、厳しい財政環境のなかそれは、投資優先順位を東京に集中することになる。結果として地方の予算配分は減少し地方交付税は減少を続けるに違いない。
リニアへの投資はJR東海という企業が行うものだが、巨大な投資が可能な理由は東海道新幹線が巨大な利益をもたらしているからであるが、リニアへの投資が無ければその利益の還元が社会的に求められることにならないだろうか。たとえば運賃値下げが可能だとしたらリニアへの投資よりもより公共利益とはならないのだろうか。リニアへの投資という大義名分は採算ラインを大きく超えた利益構造を守ると言ったら言い過ぎなんだろうか。
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