コダックの倒産?
新年早々、コダックが倒産かというニュースが。
ネガフィルムの光学式カメラを使用していたものとしては今更ながら時の変化に驚かさられる。写真というものを普及させてきたコダックが倒産にまで追い込まれるのは、アナログからデジタル化への変化であろう。しかし、デジタルカメラを初めて市場に出したのもコダックなのだが。かつてカラー写真は、必ず写真屋で焼いてもらう必要があった。カメラを趣味に持つ人は多いが、現像や焼付けまでも自前で行うのはせいぜいモノクロにとどまる。カラー写真の現像や焼付けには厳格な温度管理や遮光が必須であり、大掛かりな機器が必要なのでとても個人レベルが保持できるものではなかった。デジタル化は、PCとプリンタによりそれを個人レベルに開放した。コダックはデジタルカメラでネガフィルムが売れなくなったから苦境になったというより、写真を作成するプロセスを無くしたことにより、機器やサプライ品のビジネスを無くしたことが主因である。コダックを倒産に追い込んだのは、デジタルカメラを販売している側ではなく、プリンタメーカである。写真のサプライ品の収益はプリンタのインクやトナーに取って代わられたことになる。
テクノロジは、ビジネスモデルを変える。CD販売がオンライン販売に移行してレコード店というリアルな流通ビジネスが消えつつある。既にアメリカでは書店がアマゾンなどの電子書籍により追い込まれ、新聞はインターネットにより、購読料金のみならず広告収入までも奪われている。
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