matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

見方を変えると


旗本御家人 (歴史新書y)

旗本御家人 (歴史新書y)

この本には、結構いままでの先入観を覆すものがある。

  • 綱吉の時代以前には幕府内は人手不足だった
  • 家斉、家慶時代、黒船来航以前には幕府家計は余裕があった
  • 家斉は人材活用していた

綱吉以降、家宣そして吉宗といずれも、他家から家来を同行して徳川宗家を相続した結果、余剰人員となったが、これは吸収合併により人員か過剰となりリストラという人員削減が行われるのに似ている。安定化した組織は、雇用機会が過剰となる。そして、リストラにより、スリム化を行い組織を活性化できれば再生が可能となる。享保や寛政のいわばリストラにより江戸幕府の統治体制はいわば、家斉の時代にピークを迎えたともいえるのだろうか。もし、黒船といういわばグローバル化さえなければ、盤石のままだったかもしれない。

生きる哲学 トヨタ生産方式―大野耐一さんに学んだこと (幻冬舎新書)

生きる哲学 トヨタ生産方式―大野耐一さんに学んだこと (幻冬舎新書)

トヨタと取引のある会社に関わっていると、その厳しさを感じない人はいないだろう。その根本とも言える哲学に触れる本であるが、この本のなかで初めて知ったのは、大野さんといういわばカリスマ教祖を支えていた鈴村さんという存在である。鈴村さんと伴に、トヨタ生産方式を布教していた張さんという後継者は後にトップとなり、会社を超えて経済界の頂点にまで登っているのに比べるとあまりにも日があたっていなかったようだ。カリスマではなく、体系化し方法論を一般化したものが宗派として確立したということなのだろうか。しかし、確立したがゆえに伝わないものが多くあることも感じさせる。トヨタ生産方式に関わる方にはぜひ一読して欲しい本だ。