matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

昭和が終わっていく


談志が亡くなった。10月には北杜夫が亡くなっているが、その直前に文庫本化された「マンボウ家族航海記」の最初のエッセイが葬式というタイトルだった。亡くなったのが、10月24日で、この文庫本が10月15日の発行であり、死亡を期に文庫本化されたわけではなかろう。巻末の娘であられる由香さんの解説で衰弱している老体を気遣う記載が物悲しく感じてしまう。
私、いや私たちの世代にとって北杜夫は思い入れのある作家だ。星新一や狐狸庵こと遠藤周作など、文学に目覚める多感な中高校生の定番だった気がする。わたしには、文才が無いが目指しているというか、影響を受けているのは北杜夫の軽妙なエッセイの文体であり、ユーモアやエスプリだった。ムツゴロウこと畑正憲のエッセイも同様であり、きっと同年代の本好きの方には、共感いただけるのではないかと。はしかのように中高校生時代は浸っていたが、いつのまにか小説を読まなくなると同時に離れてしまっていたが、ひさしぶりにマンボウ物を読んで、少しながら昔の感覚を思い出すと同時に時間が過ぎ去っていく寂寥感に欝になるのは北杜夫的なのかもしれない。


武士の王・平清盛 (歴史新書y)

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マンボウ家族航海記 (実業之日本社文庫)

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