評価と抜擢
封建時代、身分制度が頑として存在していた時代、それが江戸時代。戦国時代には下克上で、一介の農民が太閤と呼ばれるまでになったが、天下泰平は、確固たる身分制度を確立していた。幕末そして明治維新で旧来の世襲制への否定は、ひとをどう評価し、抜擢していくかという基準が流動的になった。藩閥政府という地縁などのコネクション的な既得権グループに属さないためには、人事を学校時代の成績で決めるというのは、ある意味、旧勢力を排除するには有効な手段だったかもしれない。
- 作者: 黒野耐
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旧軍は、陸軍でいえば、陸軍大学校の恩賜の軍刀組(成績上位者)、海軍でいえば海軍兵学校のハンモック番号(成績順)で、その後の昇進が決定付けられるという。成績上位者であれば、佐官クラスまでは昇級できる。しかしながら、将官級となれば、椅子は限られるが、陸大などの卒業生でなければ、管理職になれない。そこに世襲や身分制度の関与は難しくなるだろう。しかし、成績だけで最適な人事ができない現実の解決策はなかったのだろうか。
- 作者: サイモン・アングリム,天野淑子
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