新年明けました。
今年は、昨年よりいい年になって欲しい。リーマンショック以来、厳しい状況が続き、多くの仲間が会社から去らざるを得ない状況となった。まだしばらくは、この厳しい状況は継続し、自分自身がいつ同じように追われる立場になってもおかしくない状況である。この状況でなにをモチベーションにしていくか非常に難しい。
江戸時代、徳川家斉の治世は、ある意味将軍の権威が最大であった時代だった。平清盛以来、内大臣、右大臣、左大臣、太政大臣を順番に歴任した武家は家斉だけである。また、徳川将軍家で左近衛大将を兼任したのは徳川家光以来の出来事である。文政期から天保期にかけて8回に及ぶ貨幣改鋳・大量発行を行なっているが、これが物価騰貴などを招くことになった。しかしながら、これにより結果としてマネーサプライが増大し、金融緩和と同様な効果となり、経済的には成長経済期となった。家斉の死後、天保の改革は政策的にはデフレ政策となる緊縮政策であったが、その一方で低質な貨幣を濫造して幕府財政の欠損を補う政策をとったため、物価引下げとは相反する結果をもたらし、通貨価値は下落しながら、需要は減少するという、いわばスタグフレーションのようになる。黒船という外圧もあるが、家斉の死後、江戸幕府は30年足らずで、崩壊しているのは、経済政策の失策に大きく起因している気がする。年貢米収入が激減し、一方で大御所政治のなか、放漫な財政に打つ手を見出せない幕府体制に強い危機感を抱いていたとされる水野忠邦が行った天保の改革は、明らかに経済政策としては失政である。長い自民党政権から、民主党政権に交代した現代の日本の状況と被らせたしまうのは考えすぎだろうか。リーマンショックは黒船だったかもしれない。
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