買うから借りるへ
いまIT業界のトレンドはクラウドである。その実体は、雲のごとくはっきりしない。そのなかで、クラウドらしきものを実現している企業として、google,Amazonそしてセールスフォースがある。
- 作者: 西田宗千佳
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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CRMという業務のSaaSなんだが、本国の米国ではCRMとしての利用がほとんどだそうだが、日本では、プラットホームとして検討しているケースが多いようだ。これは、ITに対する考え方のちがいだが、CRMというシステム手法の違いによるかもしれない。どちらにせよ、IT業界は、所有から利用にトレンドが来ているかもしれない。インターネットと携帯で、ITのシステムを利用している形態は、すでにクラウドであり、業務システムが後追いしている感がある。自前でITシステムを保持するの利用形態をon premiseという店舗内で自家製造するパン屋の形態になぞらえるのは、この本で初めて知った。かつて西欧地域ではパン竈は村の教会にあり、集落で共用していた。それが、街のパン屋で買うようになり、そして、スーパーなどで工場で大量生産されたパンを買うようになった。しかしながら、最近はパンを自家製造するパン屋はいっこうになくならない。スーパーでも焼きたてを売りにしているパンコーナーを持っている場合も多いようだ。自前でITシステムを所有していても、SAPなどのERPで利用するのなら、あえて自前で所有する必要はなく、使用料で支払ったほうがいいのは確かだ。商用ソフトウェアを利用しつづけるには、結局保守料というものを支払いつづけざるを得ないのが実情だからだ。自前でカスタムアプリケーションを作成する意味がある限り、なかなかすべてがクラウドになるとも正直思えないが。