matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

小さな政府から大きな政府へ?


オバマが大統領になった。
これは、民主党が政権をとり、政策の方向性が大きく「変化」しそうだ。
小泉改革は、どちらかというと共和党に近い。所謂小さな政府への転換だった。その結果、介護保険の改正と後期高齢者医療制度だったような。

新書437後期高齢者医療制度 (平凡社新書)

新書437後期高齢者医療制度 (平凡社新書)

医療と介護を分離した結果、大きな狭間ができつつある。
わたしが、一番改善してほしいと思うのは、療養病床の廃止である。医療行為と介護を明確に分離しようとしている代表的な施策だが、そもそも医療と介護は表裏一体であり、特に高齢者にとっては、医療行為は継続的に必要となり、医療と看護を分割するということは現実的ではない。
わたしの父親は80を超えて胃瘻状態となり、介護施設でお世話になっていたが、ほぼ寝たきりで介護度4までになっていたが、下痢症状が長期に渡り、介護施設側の強い勧めで市営の病院に入院させた。絶食状態として点滴などで下痢をおさめた結果、退院を勧奨されたが、介護施設側は、今後も医療行為が必要になりそうなので受け入れ拒否状態。病院側はもう医療行為をおこなうことがないので、転院も無理、とにかく退院してくれの一点張り。
そうこうしているうちに、症状が病変し、2週間後、父は亡くなった。
症状が医療行為で治まったからといって、高齢者、特に介護度の高い寝たきりの人にとって監視が必要で、速やかな医療行為が受けられる体制が必要だ。
さて、そこが実現できる場所はどこだろうか。老健施設では、常駐している医師や看護士の人数では、無理といわれた。そう、それこそ病院と同一の体制こそ必要であるが、発病しないと医療行為が行えないので、医療行為のない患者は病院にとっては売り上げがあがらない。検査行為も後期高齢者には適用回数に制約がかけられ検査漬けというのはもはや医療現場では難しくなっている。
療養型病床は、2012年3月までに全廃される。まだ4年あるじゃないかという声もあるかもしれないが、実は4年後に廃止されることはすでに医療現場では織り込み済みで、もはや新規の患者を受け入れないというのが現状で、これからの利用はほぼ絶望的だ。
直る見込みの無い患者は保険の適用外という制度が痛みを伴う改革なのか。