matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

民営化すべきなのか


いまは、行政に対する不信感が強い
年金行政のいい加減さには呆れるより情けない。
役人根性や、官僚意識など親方日の丸、責任の曖昧さなど官から民への声が強い。官自身がコスト削減を目的として民営化を図る図式さえある。
果たして、民営化は現在の問題を解決する手段なのだろうか。

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

上記には、民営化を大胆に行っているアメリカの現状だ。
「民営化はテロより怖い」
アメリカには医療保険にも入れない。教育を受けるためには借金を抱え込み、それでもワーキングプアから抜け出せない。自由と平等は本当に機会を与えてくれるのだろうか。
戦後の共産主義の失敗は、自由主義の仮面を被った資本主義一辺倒の感がある。成功者の比率は下がりつづけ、勝ち組と負け組が固定化していく社会でもある。
中国が自由経済に舵を切ったとき、国民全体の生活水準は確かに上昇しつつある。しかし、それは政治的な問題が変化した結果であろう。

人としての集団には行政は必要である。
小さな政府論は、見えざる手にゆだねるものだが、見えざる手は強者と弱者の存在を明確にし弱者を擁護する手にはなりえないのではないか。

行政ってなんだろう (岩波ジュニア新書)

行政ってなんだろう (岩波ジュニア新書)

行政は必要だ。
腐敗した組織は官僚組織のみならず民間の組織にもある。ただ行政というのは多数の幸福を実現すべきものだ。組織を守るのが目的になりがちだからこそ、絶えざる監視と評価が必要である。
目に見える負担ばかりが論議になりやすいが、得られる効果や影響を見定めていく努力が必要ではないのだろうか。