matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

雪の京都

matsuok2008-02-24


ちょうど、この本を読んでいるときに韓国の南大門炎上のニュースが飛び込んできた。応天門の炎上などは平安の話だが、ほぼ同時代?の金閣寺の炎上も戦後だ。長い歴史から見れば、近い?

足利義満 消された日本国王 (光文社新書)

足利義満 消された日本国王 (光文社新書)

この本は金閣寺炎上の話から始まっている。

著者は専門は中国思想史で、なかでも宋から清にいたる時期の儒教を専攻しているらしいが、朱子学の観点から足利義満を論じている。
幕末の足利将軍三代木像梟首事件、文久3(1863)年の将軍家茂上洛前に、尊攘浪士らが京都等持院の足利三代将軍の木像の首を取り、三条大橋に鳩首した事件。足利幕府に借りて現幕府を非難し、尊氏の首級を現将軍に擬したものだったらしいが、しかほどさように、皇国史観によれば、北朝を成立せしめた足利氏に対する歴史的評価はかなり偏見があるのかもしれない。

朝貢を願い出て、貿易という実利をとった政治的指導者はアメリカの同盟を優先した小泉外交方針に合致しているが、南北朝統合という業績はどれに相当するだろう。郵政民営化?まさかね。

当時の南朝にどれほどの実効的な勢力や影響範囲があったかわからないが、反幕府というか施政側への反抗的な権威に利用されないよう不安定要素を取り除いたともいえるし、目にめる成果として南北朝統合が必要だったとすれば、郵政民営化も改革の成果を示すシンボルとしては有効だった。なにせ、それで衆議院の絶対安定の議席数を確保してしまったのだから。

いまの日本における大きな論点はなんなのだろうか。
年金問題、食糧自給率など食への不安、北朝鮮拉致疑惑など、国家全体としてさしせまった課題があるわけでもなく、その結果か、国会の論争はガソリンにかける税金であり、その問題点の指摘は、マッサージ機や野球道具の購入である。

けっきょく、つきつめてみると、最大の国民の監視事は将来に対する不安ということなのだろうか。

所得格差、ネットカフェ難民ワーキングプアなど、たしかに問題としては存在しているが、格差という話なら米国や中国などとくらべて日本の状況が悪いとはいえないような。
いや、世界的基準からすれば日本はかなりマシなのではないだろうか。その状況が将来に維持できないかもしれないという不安であろう。私も、親の介護をする世代となってみてかんじるのだが、日本の医療制度や介護保険や年金制度というのは、かなり充実している。地方の自治体などがおこなっている福利厚生なども、それなりにある。いまのレベルが保つことができるのなら、そんなに自分の老後は最悪でもなさそうなんだが、少子化や高齢化がそれを許さないと行政はかしましい。未来は今より悪くなるというのが前提にされているのだろうか。

寒い中、京都に行く。
雪が舞い飛ぶ、寒風の中、人出は相変わらずだ。

うちの奥さんのご贔屓は、「元祖八ッ橋」これも西尾の屋号だが、「本家」とは別。
店先でおじいさんが、しきりと焼いたので試食を勧める。
店の奥では、これまた高齢者が手作りで餡を詰めている。これは後継者ないだろうなあ。「本家」がすぐそばにあるのだが、本家とことさら強調するところや、元祖といいているのが別途あるのをみると、親族間での争いがあったのだろうか。

義経と頼朝、尊氏と直義、家光と忠長など、兄弟は争うものなのか。
そういえば、一澤幌布も兄弟争い?
店先で行列ができてたけど、そんなに人気なのか。