matsuok’s diary

あくまでも個人的意見であり感想です

食糧自給率を上げるには

チャイナ・フリーという言葉をご存知だろうか。
自分の使用する者から中国産のものをなくすということ。とある週刊誌の記者がトライしてみたがあまりにも困難で断念したという記事もみた記憶がある。ここ数年円安基調であったにもかかわらず物価が安定していたのは消費意欲が減退するなか原価削減に努めてきた流通業者や生産者が尽力してきた結果でもある。

いま、資源の取り合いがグローバル化が進行し原材料費の上昇は最終価格に反映せざるをえない状況になっている。
その背景のなかで、チャイナ・フリーの実現はより困難となり、国産回帰はコスト上昇につながるため、チャイナ・フリー志向は、国産化というよりも中国以外のBRICSやアジアなどよりグローバル化の進行にむかうだろう。

今回の冷凍食品騒動で目に付くのは日本の食料自給率向上の声だ。政府などの対応を批判する声も多い。しかし、具体的な手段を論じるものがないように見える。
自給率を高める方法は、消費者である我々が、より高価な国産品を買うことなのだ。需要がなければ供給はない。結果として食料品などの消費財の家計に占める比率は高くなる。エンゲル係数の高い低所得者層はもちろん、年金生活者など所得増加がのぞめない人々にとっては死活問題でもある。貧乏人は土を食えというわけにはいかないのでないだろうか。
戦後、日本の農業などを守ってきたのは高い関税や非関税障壁である輸入制限や米、麦などの管理だった。結果として、一般消費者は家計のかなりの部分を支払ってきたわけだ。
国防的など安全保障の観点から食料の自給率を高めるというのはあるだろう。しかしながら、それは備蓄の備えであり、食糧の国家統制対象とすることではない。
消費者の立場からすれば、チャイナ・フリーを実現することが主目的ではなく安全な食糧確保であり、国内産回帰のみではないはずだ。