歴史の常識
学校で習った歴史的な常識ってどこまでが事実なんだろうか。歴史というのは記録が残っているものだけが歴史として残っている。その記録が伝聞なのか、はたまた創作なのかは別として、他になにも資料がなければ、物語などの虚構でさえも当時の状況を推測する材料となっている。
では、記録というのは、残したいという意思と思惑で書かれたものだ。
鉄砲伝来が種子島であるという「常識」なんだろうかという思いが下記の本の読後感だ。
- 作者: 宇田川武久
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2006/10/10
- メディア: 新書
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中国や南蛮交易をおこなっていた九州や堺などからほぼ同時期に普及していったようにも見える。
技術が普及するためには、システムが必要である。自動車を使うためには、ガソリンスタンドが広範囲にあり、整備などメンテナンス拠点が必要だ。また教習所などソフトウェアの普及手段ももちろんである。
鉄砲に不可欠な火薬の原料である硝石は国内では入手が難しく海外輸入に依存しているものでもある。資金力のあるものこそ維持できるシステムでもあろう。
鉄砲がどう日本に伝来したかよりは、どう普及したか、そして、そのシステムの普及は朝鮮にまで至った経緯は興味深い。